杉本と福田と同級生02(+イジメられっ子)
ここにとある一人のイジメられっ子、もとい元イジメられっ子がいる。
仮にここでは「もっくん」と呼ぶことにしよう。
モブの「もっくん」でも可である。
この「もっくん」、一体どこでどう間違えたのか、県下でもトップクラスの不良高校・鈴蘭に入学してしまった。
そして案の定というか何というべきか、入学初日から厄介なグループに目を付けられてしまい、その後の高校生活もまぁお察しの通り。
相手は隙あらばナイフをちらつかせるような輩だったため、あの時助けが入っていなければ、今頃どんな目に遭っていたか分かったものではない。
そう、だからこそ「もっくん」は助けに入ったクラスメイトの杉本のことを尊敬してやまなかった。
ぜひとも舎弟にしてもらいたかった。
当の杉本にはすでに断られてしまっているが。
「どうしたら杉本クンの舎弟になれるんスかね…?」
ということで、杉本と一番親しい福田と玄兎の二人を捕まえて相談してみたところ、福田は「お前、まだそんなこと言ってたんかよ?」と呆れ顔。
一方玄兎はと言えば、意外にも「うーん…」と真剣に考え込んでくれているようだ。
「舎弟…舎弟かぁ…舎弟ねぇ…っていうか、そもそもしゃてーって何よ?」
「「…………」」
その瞬間「もっくん」は何となく、杉本や福田が玄兎のことを子供扱いする理由が解ったような気がした。
現に今、福田が玄兎の頭を撫でてていなければ、自分もついついそこに手を伸ばしていたに違いない。
そんな生温かい空気に、何かを察したらしい玄兎が慌ててそれを振り払った。
「いやいやいや、言葉の意味が分かんないとかそういうんじゃなくって!別に舎弟じゃなくても普通に友達とかで仲良くなればいんじゃねぇの?って話!」
「あー、確かにな…そこんとこはどうなん?」
「いや、そんな、自分なんかが杉本クンと友達なんておこがましいっスよ。」
「何でそこまで卑屈になんだよ。というか、お前、杉本に夢見すぎだろ。アレだぞ?黒板消しに情熱をかける変人だぞ?」
「でも、福田クンだって玄兎クンだって、杉本クンのことが好きだから一緒にいるんでしょ?」
「…なんかキモチワリィこと言い出しやがったな。おい、玄兎。お前も何とか言ってやれよ。」
「うーん…」
「玄兎?」
再び真剣に考え込み始めた玄兎に、二人の視線が集まる。
そしてその口が開かれるのを待っていた、のだが。
「おこがましいって何?」
「「………」」
今度は本当に意味が解らなかったらしい。
そう首を傾げ続ける玄兎の頭に、今度は「もっくん」の手が伸びる方が速いのだった。
相談相手を間違えました。
(ならば正解は?現役パシリと化したナイフ少年こと元イジメっ子?流石にそれはちょっと…)
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こっそり悪男祭より。
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嘘つき、ロンリー。