竹久と碧空二年01


「へぇ?北野くんも目、悪いんだ?俺もだよ。」

「じゃあ玄兎さんもコンタクトを?」

「いや、俺あれ何か怖くてさぁ…授業中だけ眼鏡掛けてんの。」

「え?じゃあ今…」

「うん。ぶっちゃけ今、この距離でも北野くんの顔、見えてない。」


ていうかクラスメイト以外の顔、よく知らないんだよねぇ。

なんてへらへらと笑う玄兎をポカンとした顔して見返す北野さん。


そんな二人の横で俺は思わず舌打ちした。


(だからこいつ、初対面の時から北野さんに馴れ馴れしく話し掛けることが出来たのか…)


この玄兎という二年。

不良は不良でもどちらかと言えば軟派な方で、どちらかと言えば気に食わない部類の男だ。


それでも北野さんの顔に物怖じすることがなかったからこそ、度胸だけはそこそこ認めてやっていたというのに。


タネが分かればこのザマだ。


(これで北野さんの顔見て態度を変えるようなら、俺の手でボコボコにしてやる…)



「だから俺、竹久くんのことが好きなんだよね。」

「…は?」

 
考え事をしていたせいか、一瞬何を言われたのか解らなかった。

そしてそれが解った瞬間、カッと顔が熱くなる。


(い、いきなり何だ?何で今の流れでそんな話になるんだ?いや!それよりもここには北野さんもいるってのに、そんな…っ)


色々と言いたいことはあったが、口はパクパクと動くだけで上手く言葉にならない。


そんな俺の気も知らないで、相変わらず玄兎はへらへらしている。

北野さんもただ「へぇ?」と言いながらこちらを見るだけ。


一体俺は何て返事をすれば、


「竹久くんの金髪。分かりやすいから本当好きよ、俺。」

「……………」





待ち合わせはハチ公の前で


そして後日。

転校してきた荻須の赤い頭を一目見て気に入ってしまった玄兎に、少し複雑な気持ちになる竹久がいた。

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嘘つき、ロンリー。