せんせいのわんこ
わんこのえづけ
犬を手懐けるには餌付けが一番。
…だと思っていたんだが、餌が悪かったのか、目当てのワンコは一向に懐く様子がねぇ。
さて、どうしたもんかと考えていると、頼れる同僚がアドバイスを投げて寄越した。
「野良じゃないからじゃないか?」
「あ、なるほど。」
「なるほど、じゃねぇよっ!」
いつものように配達にやって来たワンコを捕まえ、店内に引きずり込んだのはつい数分前。
体格差で何とかなると踏んでいたが、場所が場所だけに激しく抵抗され、少し手こずってしまった。
「一体何のつもりだ、テメェ…っ!」
ようやく部屋の片隅に追い詰めた玄兎が、フーッフーッと唸りながらこっちを威嚇する。
その姿はどっちかというと犬というより猫だ。
どうやら数人、同じことを思った奴がいたらしく、周囲から小さな笑い声が聞こえてきた。
マルコもつい先程、「ほどほどにな」と苦笑しながら通り過ぎて行ったばかりだ。
「まぁまぁ、たまにはウチで遊んでいけよ。」
「はっ? 」
「この間やった雑誌は好みじゃなかったみてぇだからなァ…お詫びに今夜は出血大サービスだ。奢ってやる。」
「はぁっ!?」
相手は犬は犬でも、野良犬ではなく番犬。
すでに飼い主の決まっているそれに、並大抵の餌では対抗出来るはずもない。
そのアドバイスに従って、今夜用意したのは極上の一品。
何だかんだいっても、玄兎だって男に違いない。
だから「童貞捨てるチャンスだぞ」と笑ってやれば、
「俺は童貞じゃねぇよっ!」
「………は?」
笑わせんなよ、chicken
(お前さん、童貞の意味、解ってんのか?)
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悪男強化より。
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嘘つき、ロンリー。