せんせいのわんこ

便利屋とわんこ


不意に見馴れた事務所内がやたらと広く、静かに感じた。


その不思議な感覚にウォリックはしばらく首を傾げていたものの、理由に思い当たった瞬間、思わずクッと喉を鳴らした。

笑う姿が目に入ったのか、出掛ける支度をしていた相棒がその手を止め、眉を顰めてそちらを見やる。


「いや、『なぁんか寂しいなぁ』って思ったら、アレ、」


『犬』が、いないのだ。

ウォリックが客を招き入れる度に吠え、ニコラスがからかう度に噛み付いていた『犬』が。


たった数日、躾という名目の下ただ預かっていただけだというのに、その存在はいつの間にかここに深く根差していたらしい。


今頃は本来の『飼い主』の膝元で懸命に尻尾を振っているのだろう、その姿が容易に想像出来てまた苦笑してしまった。


「お前さんも、遊ぶ相手がいなくなって寂しいんでない?」


いや、遊び相手というより玩具か。

なんて思い直していると、返事の代わりに鼻で笑われる。


そして、その手が動くのを目で追い、



「…なるほど。」



お互いに顔を見合わせて、一際意地悪く笑い合ったのだった。





【君のいない日々】

(いないのなら、こっちから会いに行けばいい)
(んじゃ、行きますか)


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元拍手お礼文

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嘘つき、ロンリー。