せんせいのわんこ

わんこのおひるね


事の発端は、テオ医院に運び込まれてきた一人の重傷患者。

どうもまた厄介なトラブル関係らしく、チャド警部に連絡しようとしたが、そんな時に限ってなかなか捕まらない。


ここは直接出向くか、もしくは便利屋に回すか。

どっちにしろとりあえず行ってこい、と命じられて俺が医院を出たのは昨日の夕方頃のこと。


そして、なんやかんや別のトラブルに巻き込まれ、ようやく戻ってこれたのが本日昼過ぎだ。


ぱたぱたと慌てて走っていくニナの後ろ姿を見送りながら、俺は寝床代わりの長椅子に倒れ込む。

掛け布団代わりのシーツは、残念ながら洗濯されたばかりで不在だった。


『ごめんね、玄兎!すぐに何か持ってくるから!』


そうニナは言ってくれたが、待てなかった。

くぁっと欠伸を一つ洩らすと同時に、すぅっと意識が沈んで―…







フワッと身体の上に掛けられる「何か」に、鼻先を擽る消毒液の臭い。

一瞬目が覚めそうになったものの、優しく頭を撫でられ、瞼が重くなるのを感じた。


きっとニナが戻ってきたのだろう。
 
もごもごとお礼の言葉を口にしながら、もぞもぞとありがたくその「何か」の中にもぐっていく。


その途中、ふと微かに煙草の匂いを嗅いだ気がした。





【泡沫の夢】

(その後、予備のシーツを抱えて戻ってきた看護師が目撃したのは)
(白衣にくるまって眠る、わんこの姿)


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元拍手お礼文

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嘘つき、ロンリー。