ニン×ヤン×ニン
霧隠と同級生
中学時代、同世代に「霧隠龍右衛門」という何だかすごい不良がいた。らしい。
何か名前もすごいが、とにかく喧嘩が強い。という噂で、いずれは俺達の学校にも殴り込みに来るだろうと周りのやつらがそわそわしていたのをよく覚えている。
だが、結局そいつは現れなかった。
ただ単に俺達の学校に興味がなかったのか、やって来る前に誰かに負けたのか。
それとも、そもそもそんな野郎は存在せず、都市伝説の類いだったのか。
何故今そんなことを思い出していたのかというと、高校に上がって同じクラスに「霧隠龍右衛門」という同級生がいたからだ。
そして、うっかりそいつに声を掛けてしまったことを未だに後悔しているからだった。
「おい、玄兎。ボクの話、ちゃんと聞いてんのかよ?」
「…聞いてる。聞いた上でちゃんと無視してる。」
「おい!」
「いや、だって望月先輩の話だろ?興味ねぇんだけど。」
「フン、お前は望月センパイの本当の姿を知らないからな。」
そう言って何やら勝ち誇ったような顔する霧隠は、他に話し相手がいないのか、毎日のように俺を捕まえては一方的に三年の望月先輩の話をするようになった。
もしくは、二年の猿飛先輩について。
あまり詳しい事情は知らないし別に知りたくもないが、どうやら望月先輩が猿飛先輩をよく気に掛けているらしく、それが霧隠は気に入らないらしい。
とりあえず、「男の嫉妬は見苦しいぞ」と忠告したのは一応親切心からだ。
そして、「男の三角関係も止めておいた方がいい」と続けたのは、ほとんど懇願に近かった。
同姓同名であってくれ
(あのごりごりのゴリラのどこがいいんだ?ついこの間も生徒会室で、ほぼ全裸の状態で筋トレしてるの見たんだけど…)
(もしかして、あっちにも同姓同名の別人がいるのか?)
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嘘つき、ロンリー。