五年とまほたま03


※魔女宅→落乱。
※キキ成り代わり♂











五年は組の白兎は黒猫を一匹飼っている。

そして『じじ』もしくは『じっちゃん』と時々呼ばれるその猫は、飼い主同様少し変わっていた。


「にゃー!」

「失礼な!だってさ。」

「…うん。やっぱり一番変わってるのは白兎だよね。」

「失礼な。」

「にゃー!」

「え、ジジまで?」


そんなに俺、変かなぁ…と白兎が後ろ頭を掻けば、また黒猫が鳴く。

まるで互いの言葉が解るかのような掛け合いに、思わず苦笑がこぼれてしまった。


いや勿論、あくまでそう見えるだけで本当に通じ合っている訳ではないだろう。


なんて言うと、当の白兎と、あと生物委員長代理辺りから反対意見が出るかもしれないが、やはり猫は猫だ。

今も、再びひらひらと踊り始めた赤い鉢巻きにすっかり夢中になり、小さな頭がそれに合わせて上下左右に揺れ出していた。


「兵助、勘ちゃん…っと、白兎?」


その手が一、二度惜しくも掠めるようになった頃、開かれた部屋の障子から顔を覗かせたのは件の生物委員長代理だった。


「部屋にいないと思ったらここにいたのか。」

「あぁ、二人に勉強を教えてもらってるんだ。」

「……俺にはじっちゃんと遊んでるようにしか見えないけど。」

「にゃー!」

「だからじっちゃんじゃなくてジジだって。」

「今、兵助が採点してるところなんだよ。だから白兎と俺は休憩中。」

「ふーん…?」

「それで?俺達に何か用だったんじゃないの?」

「あ、そうそう。三郎が町で饅頭を買ってきたから一緒に食おうって。雷蔵もお茶を淹れてくれてるし。」

「お、やった!」

「行く行く。兵助は?」

「ん、もう少しで終わるから先に行って、ぅわっ!?」

「先生を差し置いて生徒が饅頭を食う訳にはいかないだろ。ってことで、お前も来い。」


いつの間にか鉢巻きを巻き直した白兎が、兵助を引き摺るようにして部屋の外へ。

その後に「横暴な生徒だなぁ」と苦笑しながら八左ヱ門が続き、さらにその後に続こうと勘右衛門が腰を上げようとした瞬間。


「ん…?」


ふと真ん丸い瞳が、何か言いたげに自分を見上げていることに気付いたのだった。




まほたま!
〜黒猫の段〜


「…にゃー。」

(その時、彼が何を言ったのか)
(誰も、知らない)


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嘘つき、ロンリー。