サリバンと孫01
うるうると潤んだ祖父の眼差しに入間は思わず怯んだ。
が、ここで退く訳にはいかなかった。
何故ならチクチクと痛む良心以上に、ザクザクと全身に突き刺さる某使い魔先生の視線を感じるせいだ。
ついでに「早くそのアホどうにかしろイルマァァァァッ!」とその心の叫びさえ聴こえてくるような気がした。
だから、
(ごめん!おじいちゃん…!)
そう心の中で必死に謝罪を繰り返した入間は意を決し、なるべく祖父の顔を見ないようにしながら、その腕の中に納まった『弟』に標的を変える。
本来ならばこの場にいるはずのない、ニコニコと無邪気に入間を見上げる幼い『弟』に。
「えっと…白兎くん?」
「なぁに?イルマお兄ちゃん。」
「こ、ここにいたらさ、おじいちゃん達の仕事の邪魔になっちゃうから、お外で待っていよう?」
入間の云う、ここ、とは悪魔学校バビルスにある会議室の内の一室。
これからここで行われるのは当然、会議である。
そのため、先程から入間は何とか白兎をここから連れ出そうと奮闘しているのだが。
「えー?おれ、まだここにいるー!」
「ちょ、白兎くん!?」
「ほぉら、白兎くんもこう言ってることだし!僕としてはもう少しここにいてもいいと思うんだけど!」
「いや、でも…!」
「ねぇ?白兎くんはおじいちゃんと一緒にいたいよねぇ?おじいちゃんのこと、大好きだもんねぇ?」
「うん!おじいちゃん、大好き!おれ、大きくなったらおじいちゃんとケッコンするの!」
「…っ!!」
それはかなり誘導尋問に近い上、恐らく当の白兎は『結婚』の意味を理解していない。
だが、それでもズッキュン!と見事に胸を撃ち抜かれた悪魔サリバンは咄嗟にその患部を押え、そして白兎のこともしっかりと放そうとしなかった。
「っ、ほらっ!見てよ見てよ、僕の孫!超可愛いでしょ!?あ、勿論入間くんもすっごく可愛いけどね!?」
大興奮のサリバンに最早苦笑するしかない入間。
その視界の端に映ったのは、凶悪な顔で今にも飛び掛かってきそうなカルエゴの姿だった。
アクドル育成計画進行中
(今後のためにも、帰ったらオペラさんに相談してみよう…)
(そう心に決めた入間が一連の騒動の黒幕を知るのは、もう少し後の話)
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嘘つき、ロンリー。