セブルスと蛇寮の生徒01
膝の上に掛かる重み。
そして額に触れた、柔らかな『何か』。
それらが遠ざかってようやく、セブルス・スネイプはそっと目を開けた。
「……何をしている。」
「あ、起こしちゃいました?」
すみません、と口にしながら、悪びれる様子もなく笑うスリザリンの上級生が一人。
部屋の鍵は確かに閉めていたはずだが、それを追及する気にもなれず、セブルスはただ溜め息を吐いた。
「先生がソファーでうたた寝なんて、珍しい。随分お疲れのようですね。お茶でも淹れましょうか?」
「……いや、いらん。」
「まぁ、そう遠慮なさらずに。」
問い掛けたのは形式だけで、何と言われようと端から淹れるつもりだったのだろう。
白兎はしっかりとティーセットなるものを持ち込んでいた。
どこか愉しげに、鼻歌混じりに準備を始める後ろ姿を見届け、再びソファーにその身を沈める。
レポートの採点や次の授業の準備はいつものこと。
だが今日はそれらに加え、どこぞの双子が学校の備品に仕掛けた悪意ある魔法の解除を依頼されたり、学生時代の面倒な先輩が面倒な保護者として面倒な手紙を送りつけて来たりと散々で、
「…………」
無意識に、先程『何か』が触れた部分に触れてみる。
『何か』なんて建て前だ。
本当は初めからそれが『何か』を知っていた。
「減点します?」
その様子に気付いた白兎がまた笑い、「それとも、いい子な僕に加点してくださったりとか?」と軽口を叩く。
コポコポとカップに注がれる音。
温かな香り。
ようやく目は覚めてきたものの、セブルスはやはりどこか疲れていた。
「生徒として扱っていいのか?」
そして不意を突いた言葉に、ガチャンと『何か』が落ちた。
ティータイムのその前に
(疲れた時には甘いものを)
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嘘つき、ロンリー。