堂上と同期02
「郁ちゃん達にはあんなこと言ってたけどさ。」
「ん?」
「本当は白兎、少し寂しいんじゃない?」
「さびしい?」
まるで生まれて初めて聞いた、とでも言いたげに瞬きを繰り返す白兎に、大した役者だと小牧は苦笑する。
もしもこの場にもう一人『誰か』がいれば、その表情を「白々しい」と切り捨て、舌打ちし、腹パンの一発ぐらいはお見舞いしていたことだろう。
だが生憎、小牧はそんなキャラではなかった。
いや、それはそれで面白そうだとは思ったが、今それを実行に移した瞬間、「お前まで…俺に味方はいないのか…!」と話を逸らされることは目に見えていた。
だから小牧はただ同じ言葉を繰り返すだけに留める。
「寂しいんでしょ?」
『誰か』に構ってもらえなくなって。
「おいおい、人を被虐趣味のように言うなよ。」
わざとらしいほど憤慨した口調に歪む表情。
どちらも普段通りの白兎で、だがほんの一瞬、逸らされた視線を見逃しはしなかった。
「いや、まぁ勿論、そっち方面も守備範囲には入ってんだけどな?ただ、どっちかというと俺は好きな子ほど虐めたい派な訳で。」
「うん、いらなかったなぁ、その情報は。」
結局話は逸らされてしまったものの、答えはそれで充分だった。
そしてその後も、『誰か』に腹パンを食らうまで白兎の話はどこまでも逸れ続け、小牧も苦笑しながら最後までそれに付き合うのだった。
言葉の裏の裏を読む。
(それって結局、表じゃね?)
(なら分かりやすくて良かったんだけどね)
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嘘つき、ロンリー。