サリバンと孫03


※数年後の未来…?









リスト最後の項目にチェックを入れ終え、「よし」と満足げに一人頷く入間。

と、そこへ「お疲れ様」と声が掛けられた。


「白兎君。」

「ごめんな、兄さんに全部任せちゃって…」

「ううん!全然!僕がやりたくてやっていることだから!」


昔から人に頼まれると断れない質の入間だが、今回ばかりは違う。

むしろ自らが主導となり、「頼む側」となってあちこちの方面に働きかけているせいか、活き活きとしている。


(だって、これは―…)


「そう言えば、白兎君は知らないだろうけど、昔バビルス学園でアンケートを取ったことがあるんだよ。」

「アンケート?」

「白兎君に似合うウェディングドレスは白か黒か?って。」

「え、……」


懐かしいなぁ…と目を細める入間の隣で、白兎が戸惑いを見せる。

そんな二人の前に置かれているのは、魔界では少々珍しいであろう、一着の真っ白なタキシード。


「…とりあえず、ドレスじゃなくて良かった、と思う。」

「あはは、だね。」


でも意外と似合っていたんじゃないか、とも入間は内心思っていた。


確かに小さい頃から愛らしい顔立ちの白兎だが、当初はそちらよりもそのやんちゃぶりの方が目立つことが多かった。

だが今、年相応の落ち着きを身に付けて成長した弟は、贔屓目を抜きにしたとしても綺麗だった。


「?兄さん?」


不思議そうに首を傾げる白兎に、我に返った入間は「何でもない!」と慌てて自身の目元を拭う。


感慨に耽るのはまだ早い。

これから大事な弟の晴れ舞台だ、きっと成功してみせる…!


そう意気込む入間の頭に、ふと一つの疑問が浮かび上がった。


(あれ…?そう言えば、白兎くんの相手って誰だっけ…?)


事前に顔合わせをして挨拶も交わした、はず。

いや、したっけ??


(ど、どうしよう?全く思い出せないんだけど…!)


最近忙しすぎて、記憶が抜け落ちてしまっているのだろうか?

だとしても、何故そんな肝心なことを忘れて?


混乱する入間に気付いたらしい白兎が心配そうに声を掛けようとした瞬間、バァン!とドアを乱暴に開け放って乱入してきたのは二人の祖父だった。


「白兎くぅん!入間くぅん!ヤッホー!準備は出来たかーい!?」


その装いは白兎のタキシードと全く同じ型の、真っ黒なタキシードで―…






「って、おじいちゃんが結婚相手なの!?」


と、そこで飛び起きた入間。

乱れた呼吸を落ち着かせながらも見渡した周囲は見慣れた自分の部屋。


そこに弟もいなければ、祖父の姿もない。

ただ入間一人、ベッドの上だった。


「ゆ、ゆめ……?」




結婚会見はキャンセルで

(その後、「おれ、大きくなったらおじいちゃんとケッコンする!」と幼い白兎が言う度に複雑そうな顔をする入間の姿があったとか)(理由は誰も知らない)


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十周年企画より。
企画へのご参加ありがとうございました!


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嘘つき、ロンリー。