【趣味は、読書です。】10
「白兎は?」
「さぁ?」
いつものように堂上の顔が険しく歪もうとした瞬間、「ごめんごめん、」と苦笑して小牧はすぐ「白兎なら多分、先に行ってるよ」と続けた。
「その様子だと、仲直りは出来たみたいだね。」
「…別に喧嘩してた訳じゃ、」
そこで言葉に詰まってしまったのは、つい先日の、道場での出来事が脳裏を過ったからだ。
あれは、仲直り、のようなものだったのかもしれない。
急に黙り込んだ堂上から何か感じ取ったのか、小牧はそれ以上何も言わず、ただ微笑ましそうに笑みを浮かべるだけ。
「…何だ、その顔は。」
「ん?何が?」
「…………」
「あ、ほら。白兎、いたよ。」
小牧の言う通り、待ち合わせの場所にその姿が見えてくる。
白兎にしては珍しく一人静かに佇み、その手には何か書類を、いや折り目から察するに手紙のようだ。
そして二人に気付いたらしく、白兎は顔を上げ、片手を挙げた。
「おー、こっちこっち。」
【あとがき】
(改めて振り返ってみても、)
(特にいつもと何ら変わりなく)
(さぁ、今日もみんなでお仕事です)
そして、本を閉じた。
完
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嘘つき、ロンリー。