【趣味は、読書です。】09
「初心に帰ろう、堂上…あの頃の俺達に戻るんだ…!」
「一体、何の話だ。」
畳の上に大の字になって倒れ込んだ白兎と、それを見下ろす形で佇む堂上。
「なんか…デジャヴ…」
そのどちらも柔道着姿で、道場内には二人の他に誰もいない。
「…それで?」
「あ?」
「どういう心境の変化だ?お前から稽古に誘うなんて。」
「あー…」
これまでサボりの誘いなら何度かあったが、その度に拳で答えてきたものだ。
なんて堂上が少し遠い昔に思いを馳せていると、まるでそれを読んだかのように「男は拳で語り合うもんだろ」と白兎。
「って、何かの絵本で読んだ。」
「…どんな絵本だ、それは。」
「でも拳だと絶対俺がサンドバッグになるだけだと考えた結果、柔道の乱取りならまだ俺にも分はあるかな、と……まぁ…体格差的に?」
「その一言が余計だと、いつになったらお前は学ぶんだ?」
「いやほら、最近俺達、色々あっただろ?それでちょっと思うところがあって、一度じっくり話し合おうと思ったわけよ。」
「……………」
と、不意に白兎が大きく息を吐き出す。
「しかしお前、本当容赦ないな…特に俺に対して。というか俺限定で。ぶっちゃけ知ってたけど。」
そうぼやきながら一向に起きようとしない白兎に、堂上は溜め息を一つこぼし、そして小さく笑った。
【幻想小説】
(終わり良ければ何とやら)
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嘘つき、ロンリー。