【一人、二人、三人。】09
最近、部屋の空気が少し変わった。
変わった、と感じられるほど、俺の中の『何か』が変わっていた。
「えーと、これは、アレや…アレ…」
「…お兄ちゃん。」
「ちょ、待て。何かで読んだ覚えが、こう、ここまで出かかってんねやけどな…」
「…………」
「……………」
いくら待ってみても、それっきり「出かかっている」何かが出てくる様子はない。
相変わらず教科書を睨み続ける白兎さんに、頬杖ついて思わず溜め息一つ吐き出した。
そして、気付かれないように小さく笑う。
少し前ならここで「白兎さんに迷惑を掛けるなんて…三葉のやつ…」と不満を漏らしていた。
こうして二人っきり、向かい合っているだけで居心地が悪く、何だかモヤモヤとしていた。
そんなばあちゃんや四葉に対する時とは全然違うそれに、『憧れ』という名前が付けられたのはつい最近のこと。
おかげでようやく白兎さんとの距離感のようなものが掴めた、気がする。
まぁ、本当に三葉や司の言う通りなのかどうかは別として。
「お兄ちゃん、もう諦めたら?」
今はこれでいいかと、そう思った。
『自分』について
(自分は自分です)
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嘘つき、ロンリー。