【あいさつをしよう。】01
「お、おはよー、ござい、ます…」
弟と一緒にここ、『じんのうち』さんちに来て、もう何日か経った。
最初は大きな家とたくさんの『家族』にすごくおどろいたけど、何とかなれてきたような気がする。
……おれは。
「はい、おはよう。」
「ほら、わびすけも。おはようは?」
「……………はよ。」
おれの後ろで、おれのパジャマのすそをつかんだわびすけが下を見たまま小さな声であいさつをする。
それを見ていたマリコおばさんはわびすけにも「はい、おはよう」とあいさつして、不思議そうに首をひねっていた。
「本当、双子でもこんなに似ないものなのねぇ。」
それからおれとわびすけの頭をなでて(わびすけはいやがってたけど)、マリコおばさんは朝ごはんの準備をしに台所に行ってしまった。
「あいさつはちゃんとしなきゃだめだよ、わびすけ。またさかえおばーちゃんに怒られるよ?」
「………分かってるよ。」
この家に来てから、わびすけはあんまり笑わなくなったなぁ、と思う。
わびすけが楽しくないと、おれもあんまり楽しくないからつまらない。
それをさかえおばーちゃんに言ったら、「やっぱり双子だねぇ」って笑われたけど。
(…おれがお兄ちゃんだから、おれが何とかしなきゃ。)
パジャマをつかんでいたわびすけの手を外して、その手とおれの手をつなぐ。
「顔、洗いに行こう?」
「ん。」
そしてわびすけの手を引いて歩き始めようとしたら、反対側からやって来る男の子に気が付いた。
「リイチく、」
足を止めてあいさつをしようとしたら、いきなりわびすけがおれの手を引いて歩き始めてしまった。
わびすけはリイチくんに気付かなかったらしい。
(後でちゃんと言わなきゃ、)
あさのあいさつ
(早く行こうぜ、白兎。)
(あ、うん。)
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嘘つき、ロンリー。