【夏風邪引いたバカです。】06
土曜日のくしゃみ
行きとは打って変わり、重い足取りで帰宅。
「あら、もう帰ってきたの?」
たまたま出迎えてくれた理香の一言が翔太の胸に突き刺さる。
自分でも、こんなに早く帰ってくるつもりはなかった。
(重症だ…末期すぎる…)
ますます重くなる足を引きずり、さっさと寝て忘れようと自分の寝床を目指す翔太。
だが、ある部屋の前で思わず足を止めてしまった。
―…くしゅっ
「………」
嫌でも聞き覚えのあるくしゃみ。
しかも風通しを良くするためか、襖は少し開いていて、不可抗力で中を見てしまった翔太はその瞬間、口元を引き攣らせた。
(あ、あの野郎!パンツ一丁で寝てやがる…っ!?)
挙げ句、布団もまともに掛けていない。
夜は昼間と違い、急に冷え込むことがあるので、このままだと風邪を引きそうだが、
(っ、もう知るか!そんなに引きたきゃ勝手に引いてろ!)
まさに『堪忍袋の緒が切れた』だ。
疲れが吹っ飛ぶほどの怒りで、自室までの足取りが速まる。
(俺が何べん言ったと思ってやがんだっ!)
(俺が何度もっ……何度も……)
(…………)
そして気付けば、翔太はすやすやと眠る白兎を見下ろして立っていた。
「…あー、くそっ…」
そう小さく吐き捨て、少々乱暴に布団を引き上げ、白兎に被せてやる。
認めたくはないが、認めざるを得ない。
(明日、覚悟してやがれ…っ)
とりあえず一発殴ってやろうと思った。
そしてまた、白兎が小さなくしゃみをする。
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明日 好きな人に会える
完治?
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嘘つき、ロンリー。