犬牟田と左腕01
※元ネタ。
※猿投山視点。
部長濫立をあまり好ましく思わない皐月様が、直々に新しい部を作ると宣言したのはつい数分前のことだ。
まぁ、新しいと言っても情報戦略部から派生した、所謂別部隊のようなもんだが。
とりあえず、そのトップに収まる者はとっくに決まっている。
「二つ星、ですか…」
だから廊下で件の男子生徒をたまたま見かけ、祝いの言葉でも…と思ったんだが、予想に反してその表情はどこか浮かない。
それを不思議に思い、僅かに首を傾げた。
「嬉しくないのか?」
「いえ。一つ星でも恐れ多いというのに、とても光栄なお話だと思います。…ただ、」
「ただ?」
意味深に区切られた言葉。
その先を促してみたものの、白兎は曖昧にただ苦笑するのみだ。
言わずとも分かるだろうそれを察しろと、きっとそう言いたいのだろう。
だがそんなもので、この猿投山渦が納得する訳がない。
「何だ?言ってみろ。」
追求の手を緩めることなく続ければ、ますます困ったように眉尻を下げる白兎。
その目が俺から逸らされたのは、ほんの一瞬だった。
「…まったく。俺には理解出来ないね。」
白兎の背中を見送ると同時に、そう言って姿を現した情報戦略部委員長。
そのタイミングの良さから見て恐らく、またどこからか白兎のことを監視していたのだろう。
「あれほど謙虚すぎると、逆に何か裏があるとそう思わないかい?」
「とか言いつつ、顔が緩んでるぜ?犬牟田さんよぉ。」
「………」
『僕にはまだ情報戦略部で…犬牟田宝火の下で学ぶことが沢山あるんです。』
「…まぁ、今回はいいデータが取れたことだし、情報戦略部の長であるこの俺を通すことなく完全なるフライングで白兎に昇格を告げたことは水に流しておくとするよ。」
余談になるがその後、犬牟田の奔走により白兎の昇格も水に流されることとなる。
キューピッドなんてガラじゃない
(これだから頭の良い連中は)
(言葉にしねぇと、通じるもんも通じないぞ)
(『優等生の模範解答』ゆうたらあんなもんやろ…)
(大体昇格とか…うっかり飛びついたところで罠に決まっとるやないか。ほんま、あくどいわぁ…)
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嘘つき、ロンリー。