宮治と恋人01
※高校卒業後。
※捏造設定注意。
『俺のために毎日味噌汁作ってくれへん?』
『プロポーズか。』
『はぁ、ええですけど。』
『ええんかい。』
治と後輩の白兎が親しくなったきっかけはそんなやり取りからだった。
と、当時両者にツッコミを入れた侑はよく覚えている。
その日の部活動は各自昼食持参で、味噌汁入りの水筒を持ち込んだ白兎とそれに気付いて一口分けてもらった治。
見事二人の食の趣味は一致したらしく、その後次第に一緒に行動することが増えていき、治が高校を卒業した後もその関係は続いていた。
治が『おにぎり宮』を始めた時も白兎はほぼ毎日のように店へと通い(ある時は客として、またある時はバイトとして)、卒業するとそのまま就職してしまったほど。
『もういっそ付き合うたらええやん。』
『いや、もう付き合うとるし。』
『は?』
そんな二人の仲の良さを揶揄しようとした侑だったが、そこで思わぬ返り討ちに遭ってしまった。
一瞬何を言われたのか分からず冗談かとも思ったが、どこかばつ悪げに顔を背ける治の様子を見るとその考えもすぐさま吹っ飛んだ。
『え、いつ?いつからや?というか、そういうことはもっとはよ言えやサム!』
『何でツムに言う必要があんねん…』
『大事なことやろが!全然気付かんかったわ!』
食ってかかる勢いで問い掛ける侑を面倒臭そうにあしらう治。
なのでその標的を白兎に変更したものの、「そら、人前でようはイチャつけませんて。TPOいうもんがありますし」と苦笑され、結局曖昧に濁されたまま終わってしまった。
ただ何となく、感触的にはすでに高校時代からそういう仲だったのではないか?
と疑っている侑は今、試食として出された治のおにぎりと白兎の味噌汁のセットを前にして感慨深く溜め息を吐き出した。
「もう結婚したらええやん…」
「まぁ…する予定やし。」
「は?」
その瞬間、デジャヴを覚えた。
「え?いつ?いつプロポーズしたん!?というか何て言うたんやサム!?」
「…言わんし。というか何でツムに言う必要があんねん。」
「大事なことやろが…!」
返されたのはいつかと同じ返事。
そしてまた同じように標的を白兎に変えれば、やはり白兎は苦笑して「飲食業ですから指輪は外しとるんですわ」と答えになっていない答えで曖昧に濁したのだった。
おめでとうぐらい言わせてくれ
(いや、別に隠すつもりはなかったんですけど…侑さんに言うたら色々うるさいから言わんとこって治さんが。だから、何かすんません。)
(サム…!)
(うるさいわ。実際その通りやろが。)
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嘘つき、ロンリー。