悠仁と年上の人02
※オリキャラ♀登場注意。
「……けっこん?」
いや、もしかしたら今のは「けっこう」の聞き間違いだったのかもしれない。
けっこうを前提にお付き合いをお願いします?
この場合の漢字は「決行」が妥当だろうかか?
だとしたら一体、何を決行するつもりなのだろう?
なんて、それが現実逃避であることは自分でもよく解っていて、その諦めの悪さにそっと溜め息を吐いた。
「…あのさ、虎杖くん。この前から思ってたんだけど、そういう冗談はあんまりよくないんじゃないかなって…」
「?冗談じゃないけど?」
「………」
俺の言葉に不思議そうに首を傾げる虎杖くんとの出会いは、およそ一週間前。
道を歩いていて突然、「一目惚れしたから付き合って欲しい」と声を掛けられたのがきっかけだった。
その時、訳も分からぬまま流されるように連絡先を交換し、本日が二度目の対面となる。
『この間は時間がなかったから少しあれだったけど…改めて!結婚を前提にお付き合いをお願いします!』
そして、二度目の告白。
ただ単に揶揄われているだけ、という可能性は先程の虎杖くんの様子を見て、消えた。
決してそんな悪い子ではない、と思う。
むしろ純粋な好意であることをひしひしと感じ取ってしまったが、俺も虎杖くんも男であることは一目瞭然で、その上、虎杖くんは(正確な年齢は知らないが)高校生だ。
となると、年の差はどのくらいになるのか考えようとして、ふと怖くなって途中で止めた。
そんな俺に構うことなく、グイグイくる虎杖くんの怖いもの知らずな若さが、ある意味羨ましい。
いや、そのせいで俺は今こうして困っているわけだが。
(……俺にも、こんな時があったっけな…)
「白兎さん?」
「…気持ちは嬉しいんだけど、何で俺なの?」
「え?何でって、それはえっと…一目見た瞬間、こう、『あ、好きだな』って思ったんだけど…?」
答えになっていない答え。
それを口にする当の虎杖くんもどこか少しもどかしそうで、だけどきっとそれが総てなのだろう。
そもそも「一目惚れ」なんてそんなものだと知っていたはずなのに、わざわざ聞き返してしまった自分自身に呆れて、思わず笑いそうになってしまった。
『ねぇ、どうして私だったの?』
『どうしてって、それは―…』
その瞬間、くらり、と眩暈にも似た何かを覚えた。
そして少し顔を俯かせると、無意識に触れていた自身の指の、今でもまだうっすらと残る指輪の跡が目に入り、もう一度溜め息を吐くのだった。
謝りたいことがある
(でも、誰にすればいいのかが分からない)
(…だから、ごめん)
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嘘つき、ロンリー。