潔とブルロメンバー01
※一次選考前の話。
※微下ネタ。
「強化指定選手に選ばれた」と日本フットボール連合から来た手紙。
「ワールドカップ出場」を視野に入れたプロジェクトへの参加。
健全なサッカー少年ならば誰もが心惹かれ、浮き足立ってしまうのも無理はない話。
勿論俺もその内の一人で、だから指定されたロッカールームに移動した後、未だ全容を知らされていない「これから」について他の参加者達と話すのに夢中だった。
「うわっ!?」
「っ!?」
そこに背後から小さな悲鳴が、と同時に突然、ぼすっと尻の辺りに何かがぶつかる。
そのせいで体勢を崩し、そのまま前のめりに倒れていく間、話し相手だった久遠や伊右衛門が慌てる様がまるでスローモーションのように見え、それが少しだけ笑えた。
「ご、ごめんっ!」
反射的に両手を床に着いて何とか全身強打だけは免れることが出来たが、振り返って見た『元凶』の方は俺の尻にぶつかった後、身構える間もなく顔面強打したらしい。
真っ赤な顔で必死に謝る姿が痛々しく、思わず眉を顰めた。
多分配給されたボディースーツが体にフィットしすぎて着用に手間取り、足か何かを引っ掛けて俺を巻き込んで倒れた、といったところだろう。
同情はする、が俺も被害者だ。
「おっま…人のケツに何ツッコんでんだよ…?」
なので文句を入れたその瞬間、何故か近くにいた数人が突然噴き出した。
「は?」
「あの、もうちょっと言葉を選んだ方がいいと思うよ?」
「俺、何か変なこと言ったか?」
四つん這いになったままの俺に見かねた久遠が手を差し伸べてくれたが、もう片方の手は自身の口元を押さえている。
ついでに伊右衛門の方を見れば、バッと顔を背けられてしまった。
そんな、よく解らない状態で始まった『青い監獄』での生活。
あれ以来久遠達とはそこそこ親しくなったが、元凶である潔とは未だ微妙な距離感を保っている。
俺はもう気にしていないというのに、トレーニング中など気付けば遠巻きにこちらの様子を窺っている潔。
目が合うと、いつかの伊右衛門のように勢いよく顔を背けられ、その内首を痛めそうだとふと心配になった。
とりあえず、その度に「白兎のお尻に突っ込んだ感想は?どんな感じだった?」と愉しげに潔をイジる蜂楽の後頭部を叩くのだけは忘れない。
ついでに時々「不純同性交遊は認めてないからな」と真顔で言い放つ絵心の方も、いつか画面越しではなく直接会う機会があればどうにかしてやりたいところだ。
お前ら、一体いつまでそのネタ引っ張るつもりだ。
水に流してくれ!
(…なぁ、イガグリ。煩悩退散ってどうやればいいんだ?)
(あー…気持ちは分かるぞ…)
(その後、滝行のようにシャワーに打たれる潔の姿が何度か目撃されることになる)
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嘘つき、ロンリー。