潔とブルロメンバー02
※一次選考の少し前の話。
※微下ネタ。
『青い監獄』生活×日目。
ようやく同部屋メンバーの顔と名前が一致し、何となく人となりも把握してきた頃だというのに、若干一名、未だに微妙な距離感を保っている相手がいる。
初対面時に文字通り「衝突した」、潔世一。
気付けば遠巻きにこちらを見つめ、何か用でもあるのかと思って声を掛ければ挙動不審な反応、からのまるで逃げるように走り去っていく後ろ姿をもう何度見たことか。
これがただの合同合宿で互いに蹴落とし合うだけのライバル関係だというなら別に放置しても構わないが、未だ全容を知らされていない現状ではいつ、どこで、誰と、どんな連携プレーを求められるか分かったものではない。
このままギクシャクしていたら、いざという時まず間違いなく不利になる。
だから、これはあくまで俺自身のためだ。
「おい、潔。お前、ちゃんと休憩したか?」
「えっ、あ、うん。」
「ほら、水分取っとけ。」
そう言って放った水筒を潔が危なげに受け止めたのを見届け、ついでに持っていたタオルをぐりぐりとその顔に押し当てて流れ落ちる汗を拭ってやる。
時折「ちょ、白兎、痛っ」と漏れ聞こえてくるが、とりあえず無視した。
よく知らないが、冷たいシャワーを浴び続ける習慣があるらしい潔が時々くしゃみをしているのを俺は聞き逃してはいなかった。
まさか風邪引いてないだろうな?
「白兎も結構面倒見がいいよなぁ…今のところ潔相手限定だけど。」
「伊右衛門、久遠と並ぶと『ザ・保護者組』って感じ?伊右衛門がオトンで久遠がオカンで白兎が親戚の兄ちゃん、みたいな?」
成早と今村が何か言っている、と思ったが、ちょっと待て。
「それ、何か俺のだけ違うくねぇか?」
「オカンは嫌だなぁ。」
「俺も、ちょっとなぁ…」
他の二人も話を聞いていたらしいが、そう苦笑する姿はその名にぴったりだと思うのに、何故俺だけ頭に「親戚の」が付くのか。
そのままストレートに「兄貴」でよくないだろうか、と何だか妙な疎外感を感じてしまった。
「白兎はなぁ、なんか兄貴って感じじゃないんだよなぁ…それよりも年上のいとこ、みたいな?」
「そうそう。それで無自覚に初恋泥棒とかやっちゃうタイプ。つまり、なんかエロい。」
「それ、更に違うだろ…っていうか、またお前か蜂楽。」
口を開く度に変なことを言うので毎回物理的に注意しているのだが、奴はまだ懲りていないらしい。
今だって潔がいなければ、その頭にガッとアイアンクローをかましてやるところだ。潔に感謝した方がいいだろう。
「も、いい、からっ!」
と、ほんの一瞬蜂楽に気を取られた隙に俺のタオル攻撃からすり抜けた潔。
顔や首の汗を拭っていたつもりが、それはいつの間にか頭全体に及んでいたようで、ボサボサになった髪に流石にやり過ぎたかと少し反省した。
お詫びのつもりで整えてやろうと手を伸ばせば、潔はいつかのように顔を真っ赤にして後退りしてしまう。
どうやら逆効果だったらしい。
「コミュニケーションって難しいな…」
「仲良くヤりたいなら、ここは一発」
「蜂楽、お前マジでそろそろレッドカードだぞ。」
とりあえず、その頭をこっちに寄越してみろ。
近付きたい、でも近寄れない
(蜂楽もだけどよ、潔もそろそろいい加減にしとけ。こっちまで白兎のこと妙に意識しちまうだろうが。)
(…ごめん、國神。)
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嘘つき、ロンリー。