潔とブルロメンバー03


※一次選考中の話。
※微下ネタ。











試合終了と同時にあちらこちらから上がる雄叫び。

特にすぐ側にいた雷市の声が一際でかく、そこから静かに離れていった千切を横目にそっと息を吐き出していると、不意にそれに紛れて自分の名前が聞こえた。


「白兎っ!」


振り向けば、つい先程までフィールド中央辺りで蜂楽とハイタッチを交わしていた潔が、珍しく自分からこちらに向かって駆け寄ってくる。

未だ興奮冷めやらぬギラついた眼差しを見ると、これまでの地道なコミュニケーションが実を結んだ、というよりも試合に勝ってついテンションが上がってしまった、といったところだろうか。


それは俺も同じで、だから片手を挙げてそれに応えようと待ち構えていたのだが。


「うおっ…!?」


ハイタッチどころか勢いよくガバッと抱き着かれ、危うく体勢を崩しかけてしまった。

どうやら潔のテンションは思った以上に高まっているらしい。

流石に少し戸惑ったものの折角の喜びに水を差すわけにもいかず、代わりに挙げていた手をその背中に回して「やったな、潔」と二、三度そこを叩いてやった。


そして、潔が落ち着くのを見計らって離れようと、その燃えるような体温を感じながら待つことしばらく。


「……潔?」


俺は異変に気が付いた。

ぎゅうぎゅうと体を締め付ける腕の力は弛むことなく、むしろ強まっていくばかり。

首筋には擦りつけるように鼻先が寄せられ、肌を撫でる息も妙に荒い。


太股にも何か硬いものが当たっている、ような気がするがそこは気のせいだと思いたかった。

というより気のせいであってほしかった。


「ちょ…おい、潔…?お前、いい加減離れろって…って、ぅあっ!?」









「…ってことが前にあっただろうが。だからそこでストップだ、潔。それ以上俺に近寄るな。」


そう言って両手の平を差し向けて制止すれば、中途半端に両腕を広げた格好でぴたりと立ち止まった潔。

俺の剣幕にその表情はキョトンと不思議そうだが、どうにか自力で正気に戻ってくれたようで何よりだ。


その横で「白兎、ノリ悪いよー」と蜂楽が笑っているが、もう二度とノリで押し倒されてたまるか。

それも敵味方大勢の目の前で、なんて冗談じゃない。


次やったら今度は絶対に頭突きでは済ませない、と俺は心に決めた。





色んな意味でのフラグ

(潔って普段は俺の顔を見て逃げる癖に、試合中とか試合直後とかは人が変わるよな…)
(そう、か…?試合中はともかく、試合直後の記憶は何か曖昧なんだよなぁ…)
(……ちょっとやり過ぎたか?)
(え?)


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嘘つき、ロンリー。