本を読む夢主に嫉妬する
小説を読むといつも集中してしまい時間を忘れてしまう癖が昔からあって今でもそれがある。好きな作者の小説だと特にそうなってしまった。電子書籍ではその癖は起きない。それを知っていた友達に私が紙の本を持って読んでいると「電子書籍買えばいいのに」と言われたことがあるけどふんわりと断った。電子書籍はとても便利だけど慣れない。紙に触り太陽の光で文字が照らされるあの感覚がすきなのだ。書店へ行くと本の匂いが感じられるのも最高すぎるし実際に手に触れて背表紙を確認するあの時間もいい。「なあ」と声をかけられ小説から目を離し声の主を見るとつまんなさそうに手を頬に付けてこちらを見ていた。「なぁに?」と聞くと「…特になんでもない」と言ったので「そう」とまた手元に持っている本へ目を移した。するとまた「なあ」と声を掛けられる。私は目を小説から離さずに「なぁに?」と言うと返答がない。ふぅと息を吐いて小説に栞を挟み机の上に置いて尾形の元へ目を向けると明らかに怒っていた。「どうしたの?」と優しい声で語りかけると怒った顔から困ったような顔になり「…別に」と言う。座椅子から立ち上がり尾形の元へ向かい頭を撫でる。「子供扱いするな」と言う彼に「子供扱いじゃなくて彼氏扱いしているんだよ」と答え頭をぎゅっと胸に抱き締めると恐る恐る尾形は腰に手を回して来た。「…俺がいる時は小説を読まないで欲しい」小声で言う彼に顔に似合わず可愛いことを言うなと笑うと尾形はぎゅっと抱き締める力を強くした。「電子書籍買おうかな」と私が呟くと尾形はは?とした顔で私を見上げたのだった。
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