その後、夕飯は春野菜の天ぷらにするかと思い付き牛蒡に絹さや、アスパラガスなどを収穫。裏の竹林で筍も掘った。

本丸だと新鮮な野菜がゴロゴロ採れるから良いね。しかも自家栽培だからタダ!現世じゃそう簡単なことじゃないし、これは審神者やってて一番最初に得だと感じたことだった。

ただまぁ、それでも足りない物…例えば調味料とか米は買いに行かなきゃいけないわけなんだけど。



「天ぷら作るのに薄力粉無いとか…」



厨見てから決めるんだったと少し後悔。
ついでに他にも足りないものはあるかと見て回り、洗濯洗剤やシャンプーもそろそろ無くなりそうだと判明。男所帯でも髪長い奴多いから減りも早いね。

ということで、さっきの畑当番二人を引き連れて早速万屋に来たわけだ。



「あら、瑪瑙さん」


「あ、クロちゃん。こんにちは」



ちょうど万屋から出てきた人物、相棒のクロちゃんにばったり遭遇。彼女は買い物を終えたところのようで、近侍で連れている薬研くんが荷物を持っていた。

買い物デートか。恋人通り越して夫婦みたいだね。今日も仲睦まじくて何より。



「こんにちは。今日は膝丸さんと蜻蛉切さんがご一緒なのですね」


「うん。畑当番で一緒だったからね」



俺は彼女みたいに近侍を固定して決めていないし、外出する時もランダムに連れていく。

特に意味は無い。全員平等に…とかそんな綺麗事でもないし、ただ何となくそこにいた奴を連れているだけだ。誰とでも話せるしね。



「あ、そうそう初鍛刀どうだったの?」



クロちゃんの本丸は敵の襲撃を受けて建て直した。それ以前にもバタバタと慌ただしい毎日を送っていた為、丸一年鍛刀していなかったらしい。薬研くんたちは元々黒本丸から引き継いだ刀剣たちだし、人数もそれなりにいるから鍛刀自体する必要も無かったのだろう。

それで先日、再建して落ち着いてきたから鍛刀するという話を聞き、手始めにどれくらいの資材を使うべきかと相談されたのだ。何事にも慎重にこなす彼女は本当に真面目な子だ。

その後この間の特別任務が入って事前調査や作戦会議もしてたから、結局鍛刀が成功したのかどうなのか何も聞いていなかった。



「あー…、アレな…」



ん?
なんか薬研くんが明後日の方向を向いてるような…。



「そういえばご報告がまだでしたね。千子村正がいらっしゃいました」


「むっ、村正が!?」


「へぇ。さすがクロちゃん」



あの短期間の鍛刀でしかも一発目に村正とは…。彼女の運が良いのか、村正の気紛れか。薬研くんのこの表情はそれでかと納得した。

蜻蛉切がだいぶ動揺している。若干顔が青いし牽き吊ってるけど大丈夫か?



「む、村正は粗相は働いておりませんか?」


「はい、全く問題なく。日々内番にも鍛練にも励んでくださっています」


「この間は第一部隊で出陣してな。検非違使が出てきて中傷負っちまったが、最終的には真剣必殺かまして誉とってたぜ」


「そうですか…、それは良かった…」


「服がだいぶボロボロになって半裸状態なのに更に脱ごうとしてたがな」


「脱ごうと?」


(村正ぁあああああああ!!!!)



え?癖のある奴って聞いてたけどそういうこと?
脱ぎ癖ってことだったの?


 

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