「あ、やっと来た!」
「お待たせしました」
「おかえり。迷子って大丈夫だったの?」
「無事見つかりましたよ」
「よ、良かったです…」
留守番組へのお土産も買いつつ集合場所に行くと、私たち以外全員揃っていた。今剣たちも沢山楽しんだようですね。クジの景品だろう物がいっぱいあります。
そして…、瑠璃。
「ちょっと、何へたり込んでんのよ。だらしないわねぇ」
「お前が言うな!!」
「盛大な迷子になったのはお前だろうが」
「匂いで追えなかった私めが不甲斐のぅございます…」
「狐は悪くない」
「俺の背丈でも見つけることはできなんだからな」
「まさか一番奥の噴水広場にいるとはなぁ」
「祭りそっちのけで水遊びしてるなんて誰も思いつかないよ」
「…お疲れ様です」
何しに来たの貴女は。でも彼女は彼女で一人を満喫したのだろう。来た当初より晴れやかな顔だし、石切丸さんたちも疲れを露にしながらも満足そうだ。
…これは"瑠璃"を知る私たちにしか理解できないことでしょうね。
さて帰ろうかと政府の鳥居にまで戻ってくると、その前には真黒さんが待っていた。予めお土産の為に会えるかと連絡を入れておいたから当たり前だけれども、その手には何やら沢山の荷物があった。
「やあ。祭りは楽しかったかい?」
「はい、とても」
「政府も随分と手の込んだことしたッスね。屋台の親父さん全員式神っしょ?」
「えっ!?そうだったの?」
「どうせ自分らが忙しいからだの何だの言い訳つけて使ったんだろ」
「ちょ、違うからね!?ちゃんと仕事してたからね私たちも!」
「それよりおにぃ、その荷物何なの?」
瑠璃は兄の仕事云々よりもその荷物が気になるらしい。兄が疑われているというのに暢気な子だこと。
そしてそれを気にしない真黒さんも真黒さんだ。同じ血を感じたのは私だけではないと思う。
「ああ、これね。手持ち花火だよ。生憎、予算の関係で花火大会にすることはできなかったからさ。本丸のみんなへのお土産に持って帰って遊んでよ」
「…政府にしては羽振りが良すぎる気がする」
「何か企んでんのか?」
「なんで疑うのっ!?」
花火を受け取りながらもじとーっと疑いの目を向ける二人と真黒さんの様子にドッと笑いが起こった。これが彼らの通常運転ということなのでしょう。
「…………」
「!?」
「大将?」
何か…いた?
そんな感じがして振り向いたけれど、遠くからまだお祭りの音が聞こえてくるだけで何もない。サァッと吹いた生温い風が頬を撫でていく。
「クロちゃん?」
「どうかした?」
「……誰かに見られていたような…」
「今もか?」
「いえ、今はもう…」
もうそれは感じない。たった一瞬のことだから本当にいたのかは定かではないけれど、不安は拭えなかった。
ここにいたメンバーが同じ部隊の人達で良かった。
「少しですけど嫌な感じがしました。人だとは思いますけど…」
「…わかった。警戒が必要だね」
後で調べてみるよと言う真黒さんに頷き、シロへのお土産も彼に託してその場は解散となった。
楽しいお祭りの最後の最後で感じたそれ。
気のせいで済めば良いと満天の星空に願いながら私たちは本丸へと帰宅した。
「ただいま戻りました」
「おかえりなさいませ」
「おっかえりー!!お土産は!?」
「次郎…」
「大丈夫ですよ、太郎。はい、これお土産です」
「おぉいっぱいあるねぇ!!よぉし飲むよー!!」
「主、こちらは?」
「真黒さんに頂いた花火です。今日はもう遅いですし、また後日皆さんとやりましょう」
「わかりました。では蔵にしまっておきます」
「はい。長谷部」
「なんでしょう?」
「いつもお留守番ありがとうございます。次は一緒に外出しましょうね」
「!勿体無き御言葉っ!その時は是非お供させて頂きます!」
「おかえりぃ、みんな」
「おう」
「大丈夫だったぁ?クロちゃん怪力女に何もされてない?」
「か、怪力女って…」
「瑠璃のことだよね?刻燿って瑠璃のことになると毒舌になるんだね」
「大丈夫だったぜ。別行動してたし」
「ならあんしーん!つるぎくーん、今日は一緒に寝ようねぇ。お祭りのお話聞かせてぇ」
「いいですよ!おふろもいっしょにはいりましょう!」
「わぁい!」
「「「(凄い温度差…)」」」