捌拾弐:クロとシロの間で例えば《テレパシー》が
使えたり、《片方が怪我したところが
もう片方も同じ所が痛い》みたいな
【双子の神秘】みたいなのはありますか?
「双子の神秘…」
「ありそうだな、大将とシロなら。″てれぱしー″ってのは?」
「言葉で伝えなくても以心伝心出来ることです」
「出来てるよな?」
「絶対ではありませんが、シロが考えていることを私も同じく考えていたりはしますね。でも、お互いに確認し合わないと本当に考えていることなんてわかりません。偶然同じことを思っているだけかもしれませんし、そこは私にも謎です」
「痛みは?」
「それは無いです。私の傷の痛みがシロに伝わっていれば、隠し事なんて出来ませんでした。シロの病の苦しみもそうです」
「…悪い。嫌なこと聞いたな」
「いいえ、大丈夫ですよ。あ、小さい頃に夢でシロと会ったことはありますね」
「夢で?」
「″会いたい″って思っていた時のことです。双子だから精神的に繋がっている…ということなのですかね。痛覚は伝わらなくとも感情は何となくわかる気もします。お互いの環境がそう思わせているだけかもしれませんけれど」
「へぇ…。それはただ単に夢の中にシロが出てきただけじゃなく?」
「起きた時に「楽しかったね」って笑い合って夢の続きを話したことがあるので、出てきたのは紛れもなく本人ですよ。夢で会ってたくさんお話ししていたのですけど…、でも最近それは無くなりました」
「え?」
「″無くなった″というか″やめた″ですね。お互いに夢で会うのはやめました」
「…理由、聞いても良いか?」
「夢で会った後に目が覚めると、″会えて良かった″とも思いますけれど、″現実ではそう簡単に会えないのだ″という虚しさが残るんです。直接会いたいって…、触れたいって思うから…、すごく苦しくなります」
「…そうだよな」
「だから、シロに会えるその日の為に頑張るんです。いつかシロの顔を拝めない日が無くなるまで…、それ以降もずっと、シロと一緒に生きる為に」
「(…やっぱ色んな意味で強いな、大将は)
俺っちも付き合うぜ。頑張ろうな、大将」
「!はい」
捌拾参:学生時代に敵が多かったとのことですが
逆に味方になってくれたクラスメート
(瑠璃様以外)が居たことは?
「いません」
「そこは即答しないでほしいところなんだが…」
「事実ですし、しょうがないです。嫌がらせだったり睨んでくる人は決まっていましたし、それ以外は自分が巻き込まれないように傍観を決め込んでいたり。或いは自分のことだけを考えて私を眼中に入れていない人たちばかりでした。私も周りの人間を見ているような余裕はありませんでしたから、お互い様ですね」
「…そんな中で瑠璃だけは大将といてくれたんだよな?」
「はい。長くなるのでここで詳しくは語りませんが、味方は彼女だけでしたね。瑠璃様はしつこいくらいに付き纏ってきました」
「ははっ、しつこいのは今と変わらねぇんだな。
あ、シロに聞いたんだが、大将には顔馴染みの野良猫がいるって本当か?」
「ああ、いますよ。顔馴染みというか…友猫?って言うべきでしょうか。私が外を出歩いているとどこからともなく現れて、塀の上から肩に跳び乗ってきたり、座れば膝に乗ってきたり…。帰り道でばったり出会って一緒に歩いたりもしましたね。ちゃんと私のこと見上げてくるんですよ」
「…野良猫の域越えてねぇか?」
「でも飼い猫ではありませんでしたよ。…久しぶりに会いたくなってきました。次に現世に行くときはご紹介しますね」
「大将の友猫か。楽しみにしてる」
捌拾肆:キスをするなら誰がいいですか?
「…キ…ス……」
「って?」
「昔の言葉で言う″接吻″ってやつですね」
「せ…っ!?」←真っ赤
「そう…ですね…。誰が良いかと言われましても…」
「待て待て大将!!前にも言ったが馬鹿正直に全部答える必要はねぇんだからな!?」
「わかっています。″もしも″の場合ですし私だって必ずしもその人とするわけじゃありません。可能性のお話ですよ」
(…なんで大将はこうも落ち着いていられるんだ?やっぱ俺っちの反応がおかしいのか?)
「キス……キス…………」
「…ん?大将?」
「………キス……するなら…………」
「大将??おぉーい?」ひらひら…
「…キスは……口を…合わせる行為……」
「たぁーいぃーしょーーっ!!」←大声
「くち……合わせる……。…誰と…?…愛情を示す行為…。接吻………口づけ……口吸い……しても良い人…は…」
「!?しっかりしろ大将!戻ってこい!!
(落ち着いてるように見えて混乱してたのかよ!!)」
捌拾伍:体を動かすのは好きですか?
得意なスポーツがあれば、教えてください。
「嫌いです」
「え……えっ!?ちょっと待てや大将!」
「はい?」
「あんだけ長谷部の旦那や瑠璃とやっといて体動かすの嫌いなのか?″すぽーつ″って運動のことだろ?」
「そうですよ。スポーツ大嫌いです」
「毎日特訓も欠かさねぇのに?」
「やるべきことは言われなくても気が済むまでちゃんとやります」
「あんた本当に真面目だな。じゃあ得意なスポーツなんて聞いても何もねぇか?」
「まぁ…好き嫌いを除けば剣道になるのでは?」
「ああそうか。強いもんな、大将」
「あとは柔道と弓道、合気道くらいでしょうか」
「は?」
「養成所の授業に含まれていたので、どれでもそれなりにはこなせると思いますよ」
「…因みにそれで勝負事とかは?」
「ありましたし勿論負け無しです。でも疲れるので運動は嫌いです」
(すげぇけどなんか勿体ねぇ…)