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ウサミの説明が終わり次第、春香たちは自己紹介を行った。
一人、呆然と立ち尽くしている男の子を除いて。

「じゃあ次」

「オレは左右田和一。“ 超高校級のメカニック ”っつーことでヨロシク」

「天霧春香です。超高校級の…」

「あーーーーーー!天霧春香って聞いたことあるっすー!女優の天霧春香っすか!?」

先程自己紹介をしていた超高校級の軽音楽部 澪田唯吹が目をキラキラさせながら、春香を見た。
澪田以外にも天霧春香と聞き、目を輝かせて春香を見つめる。
視線が一気に集まり、春香は気恥しさを覚えた。

「えっと…いちおう?」

「なんで疑問形なんだよ」

「だって、なんか改めて言われると…ちょっと恥ずかしいっていうか…ねえ?」

えへへ…と照れ笑いを浮かべ、素早くツッコミを入れた左右田に同意を求めたが、そうか?と軽く返された。

「改めまして、超高校級の女優として入学しました。天霧春香です。よろしくね」


皆の挨拶が終わり次第、島の散策に出かけることになった。
それぞれ自由に行動することになり、さて。これからどうしようかな。と一人考えていると左右田が声をかけてきた。

「なー春香、どこいくか決めたか?」

「んーん。和一くんについて行こうかな」

一人は心細いし、とウサミから受け取った電子生徒手帳から島の地図を開きながら、春香は左右田の後をついて行くことにした。
今いる島にはホテル、牧場、空港にロケットパンチマーケット…聞いたことも無い名前だが、おそらくスーパーがあるようだ。

「ねぇ和一くん。ここを真っ直ぐ歩いて行けば空港があるみたいだよ?」

「空港って事は飛行機があるよな!この島から出れるかもしれねぇから見てみようぜ!」

島から脱出する手段を探すため、春香と左右田は空港に向かうことにした。


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