純白の架け橋



あれから大和田くんは、お昼時に私のクラスまで来ることも無くなった。告白と思わしき台詞を露骨にかわしたのだから、へこんでしまっているのだろうか。

「あの暴走族来なくなったね。天野おねぇのこと諦めたのかな?」

何も知らない日寄子ちゃんはのんきにそんなことを言う。ほんとにそうなら、私ももう頭を悩ませなくていいから楽になれるんだけど。
日寄子ちゃんとそんな話をしながらご飯を食べていたら、とある男子に突如声をかけられた。

「ややっ、こんにちは!超高校級の画家の天野雅さんとお見受けします!」
「へ?あ、はい」
「誰?」

誰なのかなんて知らないが、前に一度見たことがある。大和田くんと二人で歩いていた男子だ。

「超高校級の風紀委員、石丸清多夏と申します!僕のクラスの大和田くんがお世話になっています!」
「あ、あー、はい、どうも」

お世話をしているつもりはないが、彼の中ではそういう解釈になっているのか。

「せっかくの機会なので少しお話をさせて頂いてもよろしいですか?」
「…うん、いいよ」

日寄子ちゃんがむすっとした顔をしていたけど、隣に座るように石丸くんに言って座ってもらった。

「大和田くんのことなのですが」

そうだろうとは思ったけども。少し居心地が悪くて、表情をごまかすためにお茶を口にする。

「最近授業をさぼって居なくなることが減って、天野先輩が彼を更正させてくれたのだと思っていたのですが、なぜか元気が無いというか、機嫌が悪くて…何かあったのか、ご存知無いですか?」

私のせいだろう。なんて言いたくないし、知られたくない。大和田くんが友達の石丸くんに事情を話していないのだから、彼も知られたくないのだろう。

「ごめんね、解らないや」
「そうですか…」

石丸くんは落ち込んでしまうし、罪悪感を覚えてしまう。やっぱり、私の対応が悪かったのかな。もう少し、きちんと向き合ってあげるべきだったのかな。

「でも、石丸くん、大和田くんの友達なんだよね?だったら…私じゃなくて、大和田くんに直接聞いた方がいいんじゃない?きっと大和田くんも、石丸くんが心配してるんだって解ったら、何か相談とかしてくれるようになるかもしれないし…」
「そうですね、さすが先輩!もう一度彼にぶつかってみます!」
「うん、頑張って」

大和田くんの元気を奪ってしまった私が言うべき台詞では無いのだろうが、今はそう言うしかない。

「先輩、相談に乗っていただいてありがとうございます!これからも、大和田くんのことをよろしくお願いします!」

石丸くんに眩しい笑顔でそう言われ、私はうなづくことしかできなかった。

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