数年ぶりの再会
「あれっ、出久くんだ?」
高校に入学して初日、見覚えのある男の子を見つけた。同じ教室に居るということは、今日からクラスメイトということだろう。
「うそ、慧ちゃん…?」
「やった!覚えてたんだね!久しぶり!」
出久くんも私のことを覚えていてくれたようで、嬉しくなる。はじめましての人ばかりだから緊張していたが、いくらか心が楽になった。
「ていうか、出久くん、ヒーロー科受かったんだ?個性出たの?おめでと!」
「う、うん、まぁね、えへへ」
「会うの、小学校の卒業式ぶりだよね。出久くん背伸びてるね。抜かされちゃった」
「あの頃は慧ちゃんの方が大きかったよね」
めちゃくちゃ仲良しだった、というわけではないけれど、同じクラスになったことも何回か会ったし、そこそこ喋っていた仲だ。久々に会うせいか、出久くんは少し照れ臭そうで、ちょっと目を泳がせていた。
「でも…慧ちゃんがヒーロー目指してくれてて良かった」
「はは、何それー…」
出久くんが心の底からほっとしたような声を出すからつい笑ってしまった。けれど、小学生の頃の卑屈な自分を思い出して、出久くんの安堵にも納得がいった。卑屈すぎて敵になるとでも思われてたかな。
返事に困っていたら、ふと教室に入ってくる男子の姿に目がいった。
「かっちゃん…」
それは出久くんも同じだったようで、出久くんの呟きで、彼が爆豪勝己なのだと、確信した。同じく久々に見る彼は相変わらず目付きが悪く、態度も悪かった。
でもどうしても声をかけておきたくて、彼に駆け寄った。
「勝己くん、久しぶり」
嬉しくて笑みを溢してしまったが、勝己くんの反応は特に無く、眉間にシワを寄せられた。
「誰だテメー」
それがとてつもなくショックで、急激に胃が痛くなってきたし、なんだか泣きたくなった。改めて自己紹介をするのも癪で、出久くんの元へと引き返した。
「慧ちゃん…」
「…しんどい」
そう一言だけ伝えて、私は自分の席へ座った。入学初日から心を砕かれてしまった。
- 1 -
←前・次→