消えた友情



「デクくんと爆豪くんなんであんな仲悪いんだろうねぇ」

戦闘訓練でめちゃくちゃ激しい戦闘もしていたし、それだけでなく何かあると出久くんにキツく当たる彼を見て、お茶子ちゃんが心配そうな声を漏らしていた。

「昔からきつかったけど、あんなじゃなかったんだけどな…」
「そういえば慧ちゃんデクくんと同じ学校やったっけ?ってことは爆豪くんも?」
「小学校の時だけどね。中学は私引っ越しちゃったから」

私の居ない中学の間に、二人に何かあったのだろうか。知らない間に友人がギスギスしてしまったのは、少しさみしい。

「…二人とも、変わっちゃった」
「えっ、デクくんも?」
「うん、出久くんは、頼もしくなった方の変化だけどね。昔もっと弱くて爆豪くんとかにいじめられたりしてたから…って私なんか余計な話してるかな、出久くんに内緒ね?」
「言わへんよ、けど爆豪くんとまともに戦えるようになってるのすごいね。急成長だ」

他の子にいじめられてるとこ、私が助けることもあったくらいなのに。まさかあの勝己くんとやりあえるなんて。個性も無かったくらいなのに。

「デクくんたち仲悪いけどさ、慧ちゃんは二人と仲良かったん?」
「出久くんは普通に友達だったよ。爆豪くんは…友達だと思ってたの、私だけかな。入学初日に話しかけたら誰だテメーって言われたんだよ、ひどくない?」
「えーひどいなぁ」
「だからちょっと怒ってるんだけどね、爆豪くん怖いから怒れない」
「あの気迫を見ちゃうとねぇ」

思い出してよ!って言いたいところだけど。それでも思い出してもらえなかったら悲しいから何もしない。もしかしたらほんとは思い出してくれてるかもしれないけど、それで何も言ってこないってことなら私は勝己くんにとってその程度だったってことだし、尚更悲しい。勝己くんは私にとっては、人生を変えてくれたヒーローなのに。ヒーローからしたら、助けた庶民は所詮モブなのかもしれない。

「そうだ、学校来るとき気づいたんだけどね、駅前にすごい可愛いカフェあってさ、ケーキとか色々あるみたいだし放課後良かったら一緒にいかない?」
「いきたい!いこー!」

悔しいから、勝己くんと親しげにするのやめてやる。それで勝己くんがショックを受けるのかどうかなんて、モブの私にはわからないけど。

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