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「恋次くーん!今日も鍛練?偉いねー!」
ここは十一番隊舎だというのに、たまに女の声が響いていた。副隊長とはまた違う、ある程度大人の女の声だ。
「お前よく来るけど暇なのか?」
「暇だよ!どこかの誰かと違って席官じゃないもん」
「あんまり来るなよ。皆の気が散るだろ」
「私恋次くんの邪魔しかしてないよ?」
「俺の邪魔するために来てたのか?えぇ?」
そいつは阿散井の同期らしく、阿散井が十一番隊に異動してきた頃から何度も遊びに来ていた。別に僕らと阿散井の会話中に割り込んでくるわけでも、練習場に乱入してくるわけではない。だけど、女っ気の無い十一番隊の野郎たちからすると、そこに存在するだけで、どうしようもないほど目が奪われる。そして基本的には阿散井にしか声をかけないせいで、嫉妬の目が阿散井に向けられる。二人とも鈍感だから視線には気付かないみたいだけど。
「檜佐木先輩が今日ご飯おごってくれるって言うからさ、恋次くんも一緒にどう?」
「…、メンバーは?」
「私と檜佐木先輩」
「それ檜佐木先輩が夏目と二人で飯に行きたいやつだろ。俺を誘うな」
「やだよ、二人でご飯行って変な噂流されたら檜佐木先輩だって嫌でしょ」
「…はぁ」
いつまでも他愛もない会話を続ける二人のせいで隊員の闘志が燃やされる。良いことだ。
「二人で行きたくねぇなら断れよ」
「わかった、断る。恋次くん今日暇なら一緒にご飯行く?」
「お前と?」
「うん」
「檜佐木先輩はダメで俺はいいのか」
「あ、ほんとだ。これじゃ檜佐木先輩に怒られちゃうね」
あの子が帰ったら、きっといつもみたいに阿散井は集中攻撃されるんだろうなぁ。
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