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「お前さー、最近変わったよな」
「へ?」
いつも通り、特に変わりなく恋次くんと二人でご飯を食べていたら、そんなことを言われた。
別に服だっていつもの死覇装だし、髪型も変化無いし、飲んでるお酒もつまみも、いつも通りのはずだった。
「もしかして体重増えたのバレてる!?」
「知らねぇよそんなこと」
「え、じゃあ何?」
「わかんねぇよ」
「えぇ?」
恋次くんは馬鹿だから、私に変化があるように思ったくせに、何が変化したのか解らないらしい。言葉で表せるくらいの語彙力をつけて欲しい。
「なんだよその哀れみの目は」
「…別に」
「そういうとこだよ、変わったの。弓親さんの性格の悪さうつったんじゃねぇの?」
「弓親さん性格悪くないもん」
「そうかよ」
「意地悪なとこもお茶目で可愛い」
「へいへい」
私がちょっとでものろけると、恋次くんは適当な相づちしかしてくれない。まぁ、わかる〜!とか言われても困るから流してくれていいんだけど。
「それと、なんか綺麗になったよな。女っぽくなったっつーか、可愛くなったっつーか…」
「…口説いてるの?」
「そんな怖いことできるかよ。素直な感想言っただけだ」
「へへ、ありがと」
弓親さんとそういう関係になってから、美容に手をかけるようになった。いつでも頬擦りできるくらいの美しい肌を保たなきゃと思って手入れしてるし、シャンプーだってちょっとお高い物に変えて、いつ弓親さんに触られても良いようにしている。
「でもせっかく綺麗にしてるのに、席官になったから弓親さんになかなか会えなくて…」
「週3で会ってんだろ」
「席官になる前は週5で会ってたもん」
「それがおかしいんだよ」
暇だったあの頃が恋しい。でも強さと美しさを兼ね備えていた方が弓親さんも嬉しいだろうと考えた結果、席官にまで上り詰めたんだ。後悔してはいけない。
「女らしくするの面倒だとか言ってたのに、こうなっちまうんだもんなぁ」
「それね、ただ今まで私をその気にしてくれる人がいなかっただけだったね。弓親さんいなかったら、ずっと恋次くんの特訓の邪魔して酒に溺れる毎日だったと思うよ」
「弓親さんの前でも酒に溺れてんだろ」
「酔った勢いで甘えれるから楽しいのー」
「バカップルが…」
何をしても弓親さんは本気で怒ったりしてこないし、可愛がってくれる。酔って面倒な私の介抱もちゃんとしてくれるし、会うたびに今日も綺麗だねと言ってくれる。
「弓親さんのおかげで綺麗になれたし強くなれたし毎日が楽しくて幸せなの」
「よかったな」
「恋次くんにも感謝してるんだよ。いつもお話聞いてくれてありがとね」
「気にすんな。愚痴よりは聞いてて楽だ」
「恋次くんも恋話していいんだからね?」
「…ねぇよ」
「はははは」
「…笑い事じゃねぇっての」
可愛がってくれる弓親さんのために、もっともっと頑張らなきゃ。強くなるのと美しくなるの、弓親さんどっちがいいかな。やっぱり両方かな。
「そーだ、今度ね、また3週間くらい現世に滞在することになっちゃって。弓親さん、寂しがってくれるかな?」
「寂しがらせたいのか?」
「そうじゃないけど。でも、3週間も空いたら、その後会うとききっと心底嬉しそうな顔で会いたかったよって言ってくれそうじゃない?しばらく会えないのは寂しいけど、久々に会える感動とか、楽しそうかなって」
「夏目は楽しいだろうけど、弓親さんは夏目に会えないストレスを俺にぶつけつくるんだからな?早めに仕事終わらせろよ」
「えー。早く帰ったら弓親さん寂しがってくれないよ」
申し訳ないけど私は弓親さんに、私が居なくて寂しい!会いたい!と思って欲しいんだ。
それなのに恋次くんは、くだらないとでも言いたいのか、大きなため息をついた。
「3日会えないだけでも寂しがる人だぞ、あの人は」
「嘘だあ」
「夏目だって弓親さんに3日会わなかったら寂しいだろ?」
「うん」
「弓親さんもお前と同じ気持ちだよ」
それが本当なら、私はとても嬉しい。でも恋次くんが自信満々にそんなことを言うということは、3日会わないだけで弓親さんがストレスで恋次くんをいじめているということなのだろうか。
「あ、どうしよう。弓親さんに会いたくなってきた」
「昼間に会ったばっかだろ」
「恋次くんが弓親さんの話するから…」
「話始めたのはお前だろ」
「ごめんね、今から弓親さんのとこ行ってもいい?今すぐ弓親さんの美しい顔が見たい」
「あーもう好きにしろ」
今日は普通に恋次くんとご飯食べるだけのつもりだったのに。弓親さんの話をするだけでこんなに弓親さんが恋しくなるだなんて。
「そんなに想ってもらえて弓親さんも幸せだろうな」
「私も幸せ〜」
「はいはい、よかったな」
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