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忙しくなってきたので、しばらく弓親さんに会えそうにないです。
なんて連絡が幸実ちゃんから来て、不安に思いながら過ごして一週間が経った。任務で遠出しているわけでもなく何がそんなに忙しいんだ。
イライラして阿散井をこてんぱんにやっつけることもあったけど、それでも治まらない。いっそ自分から会いに行こうか。
迷っていたら慌ただしく走ってくる足音が聞こえて、僕の部屋の扉が思い切り開かれた。

「お久しぶりです弓親さん!報告です!私、八番隊第八席に昇格致しました!」

ノックくらいしてよ、という文句すら言えなくなるような笑顔を見せられてしまう。

「ちゃんと始解もできるようになったんですよ!」
「おめでとう…。すごいじゃない」
「えへへへ…これで一歩、弓親さんの隣に近付けました」

幸実ちゃんは座っていた僕の前でしゃがんでにこにこと嬉しそうにする。久し振りに見れた顔が笑顔でよかった。

「第八席ですけど、ただの平隊員よりは、弓親さんの隣に相応しいですよね」
「僕のために頑張ってたの?」
「そうですよ。強くて美しい弓親さんの恥になるのは嫌だったので…少しでも、解りやすく強さを示したくて」

健気なところが可愛くて、僕は幸実ちゃんを抱き締めた。

「えへへ、偉いですか?褒めてください」
「偉いよ、よく頑張った。でもさ、僕は別に、君のことを恥だなんて思ったりしないよ。好きな子がたまたま平隊員だっただけで、その君を選んだのはこの僕だ。僕が自分で選んだ子を、恥じるわけないじゃないか」
「…そのままの私で問題無かったってことですか?」
「まぁね。でも、向上心のある子は好きだよ。だから、その調子でどんどん強く美しくなってよ」
「そしたら…もっと私のこと好きになってくれますか?」

なんだか声が弱気で心配になったから、腕を緩めて顔を確認した。そしたらただ赤面していて、恥ずかしがってるだけかと安心した。

「今でも充分大好きなのに、これ以上好きになったらどうなっちゃうんだろうね」
「…お仕事どころじゃなくなっちゃいますね」
「隊長に怒られちゃうね。僕も、君も」

幸実ちゃんの綺麗な頬に手を滑らせ、顔を引き寄せて唇を重ねた。何度やってもこれには慣れないみたいで、幸実ちゃんは毎回恥ずかしそうに落ち着きを無くす。

「せっかく席官になれたのに、お仕事できないのは、ダメです」
「…でもさ、僕に最高に愛してもらえたら、仕事も頑張れると思わない?」
「そ、それは、そうですけど、」

幸実ちゃんはあわあわと目を泳がせる。

「僕、しばらく君に会ってなかったから寂しかったんだよね」
「す、すみません、」
「それと、あと君の昇格祝いも兼ねて、もう一歩進んでみようか」

多少強引だが幸実ちゃんの肩を押して迫って、押し倒した。僕を見上げるその瞳は恥ずかしさからか潤んでいて、僕の男心をくすぐってくる。

「ゆ、弓親さん…」
「ごめんね、そんなに可愛い顔されたら我慢できそうにない」

僕はなるべく優しく幸実ちゃんに唇を落とした。
それでも不安そうにしているものだから、微かに震える幸実ちゃんの小さな手を握る。

「好きだよ、世界で一番」
「…わ、私も、好きです」
「…可愛い」

誰も触れたことのない彼女の体に、僕が触れられるだなんて。そのまま何も知らない無垢な女の子でいてほしくもあったけど、触れずに置いておけるほど僕は我慢強くない。たとえこの手で汚すようなことになってしまっても、それでも、君の全てが欲しいんだ。
柄にもなく緊張して、彼女に触れる僕の手まで震えてしまっていた。

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