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「弓親さん!お久し振りです!!」
幸実ちゃんはいつもと違う時間に訪ねてきた。だから特訓中でもなく、僕一人でのんびりしている時だった。正確には、近くで一角が居眠りしているから一人ではないけれど。
「怪我治りました!もうキレイです!肌のキメも元通りです!」
幸実ちゃんは僕の前でしゃがんで、にっこりと笑った。やっと、僕が見たかった全開の笑顔だった。傷跡もアザも何も無く、つるんとした美しい肌がそこにはあった。こればかりは、四番隊の腕に感謝だ。
「あぁ、綺麗だね」
とても美しい。それが嬉しくて僕も自然と笑顔になる。幸実ちゃんは照れたのか、白く美しい肌を桃色に染めた。
「弓親さんの褒め方いつも恥ずかしいです」
「僕は素直な感想を述べてるだけだよ。美しいものには美しいって言って当然だろ?」
「弓親さんの方が美しいです」
「そうだろうね」
「…自信満々で羨ましいですね」
「それが事実なんだから、自信もなにもないだろう?」
幸実ちゃんだって美しいんだからもっと自信を持てばいいのに。謙虚なところも美しいけどね。
「快復祝いに何か美味しいものでもご馳走しようか」
「えっ、いいんですか?」
「いいよ。今日の夜空いてる?」
「あ…今日は、その、恋次くんにも同じこと言われてて、恋次くんとお食事するつもりでして」
「なんだ、じゃあ僕がご馳走しなくてもいっか」
僕よりも先に阿散井に退院報告したってことか。まぁ、阿散井は友達なんだから当たり前だけど。僕は幸実ちゃんにとって、友達の上司でしかないんだから。
「それなら、ご馳走はしてもらわなくていいです。けど、あの、明日よかったら、一緒にご飯行きませんか?」
「…いいけど」
「ありがとうございます。楽しみにしてますね」
幸実ちゃんはにっこりと笑う。これじゃ僕が一瞬でも阿散井に嫉妬したのが馬鹿みたいじゃないか。
「それじゃ、私行きますね。恋次くんにも顔見せに行かないと」
「え?まだ行ってなかったの?」
「はい。恋次くんには今日退院すること前もって言ってあったので後回しにしました。それより、弓親さんに綺麗になった顔を一番に見せてびっくりさせたかったので」
「…真っ先に僕のところ来たんだ?」
「だって、言ったじゃないですか。私が復活するのを一番待ちわびてるのは僕だ、って」
いちいち覚えていたのか。なんだか恥ずかしい。
「それに、八番隊にだって先に行ってたら、たまった仕事に捕らわれることになってここまで来れなかったでしょうし」
「このあと阿散井に会ったら八番隊に戻るんだろ?仕事するよりここでゆっくりしていかないかい?」
「それは…できるならそうしたいですけど、京楽隊長にばれたら叱られちゃいます」
「ばれなきゃいいんじゃない?」
「…しょうがないですね。上位席官様にあんまり強く言われたら、帰れませんね。しょーがないから、したっぱの私は言うこと聞いてお仕事さぼっちゃいますね」
それじゃあ僕が無理矢理さぼりに誘ってるみたいじゃないか。なんて文句も、いたずらっぽく笑う幸実ちゃんを見たら言えなくなってしまうんだけど。
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