「おはよう沙羅。今日から18だね。」
沢山あるお部屋の中で1番煌びやかで豪華な部屋で寝起きしてるのが私達のママ。
拾い育ててくれて生きる術を与えてくれた人。
おはよう、なんて言っているけど、
夜通しお客を取ってるママが睡眠をとるのは今からだ。
「ついにデビューだね。緊張している?」
「少しだけ。でも楽しみにしてたから。姉さん達と同じようにお仕事できるの」
ママは私の着慣れてないドレスの着崩れを直しながらそう聞いてくれた。
「ママ、ありがとう。」
「いいよ。今夜のお客だけど…まず一見は回さないようにするから常連を取ると思うんだけど、1人気をつけて欲しいお客がいるんだ。」
「週末になるとやってくる金髪の若い男がいてね。」
週末、と聞いてさっきの姉さんの表情を思い出した。
珍しく少し困ったように言葉を詰まらせた姉さん。
「気をつけて、って、どういうこと?」
「何考えてるんだかわかんなくってね。別に変な奴ではないんだよ、女の子には親切だし、危害をくわえられることなんかはないと思うんだけど。アンタの姉さんをすごく気に入ってるみたいだから、聞いてみな。」
うちの常連は平日に来るのが多いから、もしかしたらその彼をアンタに回すことになるかも。
と、最後にママは付け加えた。
最初は常連客から取る、気をつけたほうが良い常連、
でも危害を加えられることはない、そして姉さんを気に入ってる。
途切れ途切れでいまいち繋がらないが
ママの言うことだから、ととりあえず呑み込んで
わかった。とだけ返事をした。
「何だか長い夜になりそうだね。沙羅も今日は姉さん達の世話休んでいいから、少し昼寝してな。夜は姉さん達より早く待機室にくるんだよ。」