独白

こんな気持ちになるのは、生まれて初めてだった。
人は利用するものだとずっと思っていた。
強い者が上に立ち、弱い者を支配する。
力によって、秩序は保たれるものだと。

彼女に対しても最初はそうだった。
木の葉の落ちる音でも目が醒める、神経質な僕の、安心枕。
ただそれだけの理由で、彼女の気持ちなんて気にも止めずに、利用していたんだ。

彼女は泣いた。
泣きながら、終わりにしよう、なんて、
ちぐはぐなことを口にした。

僕はとっくに気づいていた。利用関係じゃなくて、僕の気持ちが、彼女を必要としていることを。
そうじゃなかったら彼女の涙に心を動かされたりなんか、しなかっただろう。

僕は僕をこんな気持ちにさせた彼女を許さない。
僕に力があるからこそ、僕の思い通りにする。

「僕のものになりなよ」
その言葉に対して、大きく頷く彩乃。
ほら、僕の思い通りだ。


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