「好きです」
私の言葉が宙を舞う。
行き所を失くして彷徨う。
言ってはみたけどどうなるか予想はつかないし、予想をする暇もなかった。
勢い?そんなもんじゃない、急に素直になりたくなった。恭弥のように。
だから後悔はない、どんな結果になっても。
そう思って、目をぎゅっと閉じる。
ここにはもう来れないかもしれない。それでも。
覚悟を決めて、顔を上げる。そこには
「彩乃」
「…はい」
「僕もだ」
「…え?」
「僕も君が好きだ。同じこと2度言うのは嫌いなんだけど」
「あ、ごめんなさい…って、え?」
「咬み殺されたいの?」
「や、ちがっ。でも…」
衝撃の展開すぎて涙が止まる。思考も止まる。
雲雀恭弥が?私を?
「あの、それはどういう…」
「君と同じだと言ったよ」
「えっと、私は今、恭弥に恋心を告白したつもりで」
何で自分で解説しているんだろう、私。
恭弥は獲物を見つけた肉食獣のようにニヤリと笑う。
「わからないなら、わからせてあげようか?」
「や、結構です」
「君、僕のことが好きなんでしょう?」
「そ、それはそうなんだけど!でででも恭弥には、その…いるんでしょう?他にも。膝枕してくれる女の子が。」
「…勘違いしてるよ」
勘違い?
以前ほかの女の子にも膝枕をしてもらっていることについて恭弥に尋ねた時には「だったら何?」と返事をされた記憶がある。
そして確かに昨日恭弥は私以外の女の子の手を引いて応接室に。あれはただならぬ雰囲気だった。違いない。
どこに勘違いが?根拠と共に疑問を投げかけた。
「他の女子にも膝枕をしてもらってるのか、という質問を肯定した覚えはない」
なっ。たしかに…。Yesとは言われていない。
でも、でも、だったら昨日の女子は?
「彼女は以前から校則違反が目立つ子でね。並中の生徒にしては珍しくこの僕に反抗的だから、腕を掴み上げて黙らせてやったんだよ」
じゃあ、じゃあ、全部私の勘違いってこと?
「これでわかった?僕は君以外の女子に膝枕して欲しいなんて思わないよ。」
てことは、
「…何。また僕に同じことを言わせるつもりなの?…。僕を、こんな気持ちにさせるなんて許さない。僕のものになりなよ」
「恭弥…」
精一杯に頷いて、私の気持ちを伝えた。