道明寺の観察日記



今日は天気も良く、過ごし易い一日だった。
ストレインの事件もなく、伏見さんの舌打ちも少なく、副長によるあんこテロもなく、珍しく穏やかに一日が終わろうとしていた。
昨日テレビで聞いた歌詞を思い出せない曲を鼻で歌いながら、タンッ!と勢いよくキーボードのEnterキーを押した。送信完了と画面に表示され本日の業務は終了。お疲れ俺!
パソコンをシャットダウンして、椅子を後ろに倒す勢いで立ち上がった。その瞬間。

「ひっ!」

バンッ!って何かが破裂したんじゃないかってくらい大きな音と、それに負けない位の誰かの悲鳴。
恐る恐る、その音がした方を見ると、今日一番の不機嫌な舌打ちが聞こえて思わずビクッと震えてしまった。条件反射ってやつ?

「おい…どういうことだァ?この報告書は…」
「すっ、すいませ…!い、今書き直します…!!」

目にいっぱい涙を溜めて泣きそうって言うか、もう泣いてる感じの名字ちゃんと、伏見さん。
伏見さんは名字ちゃんに今流行り?の壁ドンってやつをしながら問題の資料であろう紙で頭をべしべし叩いてる。傍から見れば借金取りにお金返せーって言われてる女の子みたいな感じ。
こんな状況で帰りまーす。なんて言えないから、俺は壊れたロボットみたいにもう一回席に座る。隣にいる加茂から賢明な判断だって言われた。こんな状況で帰ったら俺が馬鹿みたいじゃん!

「……一つ、良い事を教えてやる」

低い声が伏見さんから発せられて、名字ちゃんがその声にビクッてさっきの俺以上に肩を跳ねさせる。
助けてあげたい気持ちもあるんだけど、












-28-

prev / next

ALICE+