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時間が経つのは早いと思う。もう私は卒業してしまった。トランクを引きながらつい一ヶ月前卒業してしまったもう母校になるホグワーツを思い出した。





それから月日が流れ四年後のある日。私はその日騎士団での情報伝達の仕事を終え、ダイアゴン横丁の薬草店へと行こうとしていたが、手荷物の整理の為一旦クライズ邸へ戻ることにした。
「どっ……どういうこと!! なんで?!」
クライズ邸へすがた現しした瞬間リアティの目に飛び込んできたのはあの人の――……闇の印だった。それを見たリアティは急いで中に入るとヴォルデモートとその下僕たちがレイ達を今にも殺さんばかりの勢いで狙い杖を構えていた。
「リアティ!」
レイとユラの声が交じり、それを聞いたヴォルデモートがそちらを見てニヤリと笑った。
「貴様もいたのか、預言者の末裔よ」「まだそんな事を!」
レイがヴォルデモートの言葉に怒りをあらわにしながら杖を持ち直した。
「何故だ。……何故なのだ。貴様らのような価値のあるモノたちは俺様の元へ来るのが相応しいのだ」「何をふざけたことを!」「リアティやめなさい!!」
ヴォルデモートの挑発ともとれる言葉にまんまと乗ってしまったリアティが自身の杖を素早く握りそれをふり呪いをかけようとした瞬間、レイがリアティよりも早く彼女の口を無言呪文で塞ぎ、そしてそのまま杖をまたふった。その時のレイの顔は何とも言えない苦しく悲しみに歪んでいた。
リアティの身体がふわりと浮き、何処かへ移動し始めた。
「すまない……リアティ」「ごめんなさい……あなたの為なの」
レイとユラがポツリと落としたその言葉たちは誰にも聞かれることなく沈んでいった。
それをヴォルデモートが物珍しそうな顔で見つめていたが、少し目を細め杖先をリアティからレイ達に向けた。
そんな事も知らずまだ自分に何が起きているのか呑み込めないリアティは困惑の表情を浮べ、自由の効かない身体をなんとかしようと必死にもがいていた。だが次の瞬間、すがた現しでもしたかのような一瞬でこの屋敷の、今まで住んでいたリアティでも気づかなかったあるキャビネットの前まで来ていた。リアティがそれを不信に思う前にそれはひとりでに開きそれに誘われるようにリアティの身体は引きすり込まれて行く。
そのキャビネットの真っ暗な目の前に得体の知れない恐怖を感じたリアティは無我夢中で身をよじり、必死にそれから逃れようとしたが、引き込まれるその魔法には叶わず、いつの間にか流れていた涙を溢れさせ、キャビネットの闇に吸い込まれていった。


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