V
あれから私の周りは相変わらずにただ平凡に過ぎていた。
ただ彼女とは――……リリーとはちゃんと話しをする事が出来た。それはあの日から3日がたった頃だ。ちょうど私達は互いに占い学を選択していたのもあって、同じ席にはならなかったけど授業終わりに彼女を呼び止める事が出来た。
『リリー……』『リアティ……』『あのっ……。ごめんね。本当に』『っ! あなたが謝ることじゃないわ』『うん……でもごめんなさい』『ええ』『私リリーのこと好きよ。親友だと思ってる』『……私もよ。リアティ』
その時久しぶりにリリーの笑顔を見たような気がした。
そして今日、図書室へ久しぶりに来た私の目の前にはスネイプ君がいた。彼はいつものお気に入りの場所でレポートを書いていた。なんとなく本棚を挟んだ物影に隠れて眺めていると、とても綺麗だとそう感じた。その細いすらりとした指が教科書を捲るたびに何故か心臓がドキリと波打ったような気がした。
「いつまでそこにいるつもりだ?」「え?」
ハッとした瞬間レポートに向いていた彼の視線が私の方に向いており、ビクリと肩を跳ねさせた。
「魔法史か?」「あ……うん」「僕も今レポートを仕上げてる」「うん……」「……」「……」
しばらくの沈黙が重い。
「座れ」「え?」「はぁ……得意じゃないだろ。魔法史」「……。ありがとう」「ああ」
少し緊張していた私はゆっくりとした動きでスネイプ君の前に座った。椅子にちょうど私が腰掛けたと同時にスネイプ君は教科書を二人ともが見えやすいように移動してくれた。彼は本当に優しい。そんなことを思いながらカバンに手をいれ、羽ペンと羊皮紙を出そうとしていた時だ。
「悪かった……」「え?」「だから……その……この前、すまなかった」
あの日から目すらまともに合わせてくれなかった彼が私の目をちゃんと見て、真っ白い手をそれ以上になるんじゃないかってくらい握りしめ、そう言うスネイプ君にまた胸が苦しいようなわからないものを感じた。
「……うん。私、スネイプ君のこと大切な親友だと思ってるよ。今までだって」「っ……ありがとう。僕も」
そうボソッと言った後しばらく彼は口を閉ざした。だがまた私のレポート作成するために先生のようになった。
リーマス達四人とは五年生の本当の最後の日まで話さなかった。
『リアティごめん!』『リーマス……これは何?』『ハニーデュークスでリアティの好きなの全部買って来た!本当にごめん』『はぁ。これで許すとでも?だいたい謝る相手が違うわ』『分かってる、でも。僕たちは彼に頭を下げるなんて無理だよ。それに彼だってそれを望んでいる訳じゃないと思う』『……そうね』『リアティごめんね。僕たち親友だよね?』『……そうだと思うわ。それで後ろの3人は何も言わないの?』私がそう言うと慌てた様子で『ごめん』と口を揃えた。クスリと笑えばリーマスもつられたのか私が大好きな彼の優しい笑顔になっていた。
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