VI
「本当にリアティ……なのか?」「っ……セ、セブルス?」「ッリアティ!」
息苦しく、ガンガンと頭の中を鳴らす絶望に、彼の名を絞り出すのが精一杯だった私を痛く苦しいほど抱きしめてくれた彼の腕は震えていた。と私はそこで彼に話を聞こうと体を離そうとしたが、それら離れるどころかピタリとくっついてきた。
「えっ……と、あの……」「……はぁ。こい」「え?」
どこに?と聞けることもなく、そのまま内蔵が飛び出るのではないかという衝撃が走った。
「えっうわ! わぁぁあ!」
やっとその衝撃とも呼べるモノが止んだと思ったら、足が地面に着いたような感覚がした。その時一瞬コキリと足をくねりかけた。
「ここ……ホグワーツ?」「ああ」
彼はそう一言残すと私の腕を掴んだまま校内へと歩いて行った。まだ頭の内が騒がしく鳴っていたが、それを無視するようにすたすたと歩いた。
しばらく歩いていると見覚えがあるすぎる場所に着いた。
「ここ……」「お前に全て話そう」「え……?」「おお!リアティ!なんと久しい顔じゃ!」「ダ、ダンブルドア?!」「いかにも」
校長室へと続く扉を開くと、優しくブルーの瞳が私を待っていた。
「セブルス、説明してくれるかの?」「はい」「では、セブルス、リアティこちらへ」「え、あ。はい!」
そのまま応接室のような部屋に通された私達は、そこに置かれたスプリングの音すらしない高級品のだがどこか品のあって歴史を感じさせるソファーに座った。2人がけのそれにセブルス、私の順で、そして目の前には悪戯な微笑むダンブルドアがいる。
「さて、飲み物でもどうかの?」「え、あの……コーヒーで」「吾輩は結構」
そう言った彼の回答を聞いていないのか、ダンブルドアは3人分のコーヒーをテーブルに出した。(その時の横から聞こえた舌打ちは聞こえなかったことに)
「ダンブルドア、……あの後私の父は、母は、デリアは……いったいどうなったんです?」「そうじゃの、まずはそこからじゃ……」
と言って一旦言葉を止めたが「リアティ……君には残念じゃが」という声で全てが分かってしまった。
「ああッ嘘でしょ……そんなッ……あ、ッ」「リアティ……」
それから1時間ほど泣いただろうか。その間ずっと私の背中を撫でてくれていた彼にまた涙が出てきた。
「リアティ、辛いじゃろうがあの夜クライズ邸であ起こった事を話してくれるか?」「……はい」
彼の手はまだ私の背中に置かれたいてそのままゆっくりとぽつりぽつり話した。
「そうか……君がそのキャビネットに入ったあとなんじゃが……セブルス」「……はい。お前が消えた恐らく10分も経たないすぐ後に吾輩は闇の帝王に呼ばれクライズ邸へ向った。だが……君の父上、母上、屋敷下僕はすでに……」「ッ!!」「そしてそのキャビネットも吾輩が見たところどこにもなかった」「そう……い、今の私の……家は?」「もう跡形も……闇の帝王が君が消えたことに怒り……それで」「そう……か」
ぽつりと呟いたそれは虚しくこの応接室に響いた。
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