上鳴とツンデレさん
出会いとは、口を開けて待ってたって降ってはこない。やっぱり自分から探しに行かなくちゃいけないんだよな。峰田とナンパについて話していると、後ろの席から咳払いが聞こえてきた。「あなたたちね……そんなことばかりしてると、プロヒーローになってから掘り起こされてゴシップになるかもしれないわよ」
「なんだよ!まだ一回も成功してねーから誰にも迷惑かけてねーぞ!」
「峰田、それ言ってて悲しくなるから黙っとこ」
「私は雄英からそんなヒーローを出したくないの。学生とは言えもうメディアにも顔が出てるんだから、その自覚を持って行動するべきでしょう」
軽蔑そのものという目で見てくる彼女に、峰田は鼻息を荒くしながらうるせーな!と言い返す。てかちょっと興奮してね?
「俺たちがかわいい女の子とお知り合いになって楽しく過ごしたってオマエに関係ねーだろ!俺のこと好きだから止めたいってことむぐっ」
「ちょ、峰田…」
峰田の口を塞いで、また十倍にして言い返されるのではと身構えながら彼女を見ると、真っ赤になった顔と目が合う。
「わっ…私が上鳴くんのことを好きでナンパなんかしてほしくないからってこんなこと言ってるわけないじゃない!!」
「あ、え、俺ですか」
俺の呆けた返事に彼女はくしゃりと顔を歪めて、さっきまでの冷ややかな仮面はどこにいったのか。ガタッと椅子を蹴って逃げ去っていくのを見送って、峰田と顔を見合わせる。
「…抜けがけすんなよ、上鳴」
「おー、でもあいつもかわいいとこあったんだな」