悪いクスリ


そもそも今日は朝から機嫌が悪かった。



朝起きたらいつも僕の隣で寝ているはずのなまえがいない、のそのそとベッドを這い出てリビングへ向かうと、テーブルの上にはラップがかかった朝食、皿の隣には置き手紙と怖いくらい静かな部屋。

きっと昨日帰りの遅かった僕に気を使ったのだろう、さすが僕の彼女。
なまえの事を考えながら作ってくれた朝食を食べる。いつもはなまえと食べている朝食はなまえが作ってくれたのになぜか味気なく感じてしまった。きっと彼女に毒されているのを実感して少し悔しい。
するとけたたましく僕のスマホが鳴り響く。こんな空気読めないことできるのはもちろん伊地知から。

「おはようございます五条さん。もうみょうじさん宅の近くまで来ましたが準備終わっていますよね?」
「は? なんだっけそれ」
「いや、五条さんが昨日自分から仰られていたじゃないですか…。」

あぁ、そういえば思い出したかも。なにか約束した気がするな〜。なんだっけ?
覚えてないから行っても無駄だろうけどせっかくきてくれたから乗っていこうかな。それで高専についてそれから、それから。

最後になまえの家を出てから三日は経った。暫くそっち行けないかもとは連絡はしているけどそろそろ会いたいな。落ち着いたら絶対自宅より先になまえの所に帰ろう、絶対だ。まだ帰れない。


それからまた三日後、やっと解放された。出張や任務で各地を駆け巡ってきたし、渡したいお土産がたくさんある。賞味期限が切れてるものは…僕が先に食べておいた。なまえに変なもの食べさせるわけにはいかないしね、美味しかったなぁ。

あまり疲れを顔に出さないようにしているけど今日ばかりは許してほしいってくらい次から次へといろいろあった
任務もそうだし学生たちの稽古や上からのしょうもない嫌がらせ…
上げたらキリがないし、おじいちゃんたちの子どもじみた嫌がらせがうざったい。ホント、一思いに殺してやろうと思えばいつでもできるってことわかってないのかな?
わかっててもやっちゃうんだよね、自分のことしか考えてないから。カワイソー
気怠い体を引きずってなまえの家に帰る。僕たちもう一緒に住んだほうが良いんじゃない? そう提案したことは何度もあるが、その度になまえは

「うーん、それは…辞めたほうがいいかな、って思い、ます。嫌だってわけじゃないけど!」

と申し訳なさそうに断ってきた。あり得なくない? 僕の誘いを断るってどういうこと?
なんて思うけどきっとあいつは自分が僕の足を引っ張るとかなんとか思ってんだろーな、朝だって勝手に出てっちゃうくらいだし。あいつはそういう女だ。僕的には早く閉じ込めてどこにも行かせたくないんだけどなぁ、あいつが働きに出なくてもいいくらいの稼ぎはあるつもりだし、一応呪術士として働いているからお家問題はまあ……要説得が必要なんだろうけど。


いつもは帰宅する前はなまえに連絡をするんだけど特に連絡しないで帰ってきてしまった。疲れているのだろうか、僕らしくない。
ポケットから鍵を取り出しガチャガチャ鍵を開ける。こういう時スルッと出てきたり鍵が回らないとイラッとするよな。
僕には少し低い玄関のドアをくぐり靴を脱いで上り框を踏む。なまえが自分の靴を揃えろってうるさいから靴を揃えてリビングへ移動する。
ダイニングテーブルの椅子に先に帰宅していたなまえの上着が置きっぱなしになっていた僕の上着の上にかかっていてなんだか優越感。
いつものソファへどっかりすわりテレビをつけた。一人で観るテレビってほんとつまんないな〜となんて考えていると風呂上がりのなまえが出てきた。

「わ!? さとるくん帰ってきてたの!? おかえり!」
「……うん」

風呂上がりなんて毎日のように見ているのに今日はいつもより衝撃がでかい。なんたって僕の服着てる

「なまえ、服…」
「あ!! あたしのパジャマ全部洗濯してて…!」

ほんとにごめん…。
と深刻そうに謝罪を繰り返すなまえの格好があまりにも刺激的すぎてクラクラする。童貞の高校生でもねーだろ…でも今日は僕は悪くないと思う。

「あー、もう無理、なまえこっちきて」

ソファに座ったままなまえを引き寄せささやかな胸に顔を埋める。風呂上がりだからか下着をつけていいないのかダイレクトに胸の柔らかさが伝わってくる。最後にヤったのいつだったっけかな今すぐヤりたいなぁ、とぼんやりしていると、なまえの手が僕の頭に乗せられゆるゆる動かす。

「さとるくんいつも頑張っててえらいよ。さとるくん、お疲れ様」
「あーーーもうホント無理、疲れちゃった。エッチしたい」

そう言いなまえの胸へ頭を擦り付けシャツの上から乳首を噛む。腕は彼女の体へ回したまま頭を下げてシャツの裾を咥え捲り上げる。僕の服だからどうなろうといい。

「ちょっとまって悟くん!? ね、なに…?」

腹までシャツを捲り上げなまえのへそに舌を突っ込む。ボディソープの匂いがまた僕を誘う。
へそから上へ上へと向かって進む。すっかり主張している乳首の周りを舌先でなぞって反対側は直に手で触れてやる。

「っん、あ、さとる、くん」
「んー? なに?」

両方を刺激しているとなまえの吐息も熱を増す。乳首を甘噛しながら胸全体を包むように揉みしだく。僕の肩に手をかけ必死に立っていようとするところが健気ですごく可愛い。かわいい。

「んー、ちゅ…膝の上、おいで」
「っ、う…、」

ノロノロ僕の膝の上に座る。両足を開いて誘ってるみたい。そうさせたのは僕なんだけど。下着が見えそうになっているのを気づいたなまえはシャツの裾を懸命に引っ張り隠そうとしている。そんなこと無駄なのになぁ。

「なまえ、ばんざーい」
「ぅえ、」

急になくなった刺激に物足り無い顔をしたがすぐに瞳に期待と興奮が混ざり素直に僕の指示を聞いた。
両手を上げ、シャツを引き抜く。脱がしきった所でなまえの後頭部に手を回し、久しぶりにキスした。唇の柔らかさも、小さめの口から覗く舌も全部が愛おしい。

「んっ、ふ、あ…はふ、んむ」
「…ふふ、久しぶりだね」
「ん、ん、んん」

僕の舌の動きに答えようと懸命に舌を動かすなまえかわいい。今は何しても可愛いけど。

「うぅ、あ、んぅ…」

唇を開放すると、どちらのものかわからない唾液がてらてら光っている。唇を一舐めしてから彼女の首筋に舌を這わせる。全身甘くてほんとどうかなっちゃいそう。僕のもすでにギンギンに勃っているから正直ズボンがきつい。サカリのついた動物みたいだなぁ、なんて考えているとなんと、なまえが僕のに自分の秘所をこすりつけた。

「え…っと、なまえちゃん…?」
「んっ、こういうことシたかった、の、さとるくんだけじゃ、ないんだよ」
「ははっ、なにそれ、誘ってる?」
「ぅん、…さそってる、ココ、さみしいの、もっとシてほしい…」
「なまえどうしたの…?」

自分のお腹の、ちょうど子宮の辺りを自分でさすり、意を決したようにスルスルと僕の上から降りて足の間に座る。普段こんなこと全然しないのにこの子今日はどうしたの…? 大人だから水はさすまいと黙って眺めている。誘うような濡れた瞳見つめられてクラクラする。

なまえは、ズボンの中で苦しそうにそそり勃っている僕のに頬をすり寄せ口でファスナーを咥える。

「ね、今日はわたしが、さとるくんの、シたげる」