こころまい
うーむむむむ。
「有無?」
いあ、ただの唸りです。
「ほーん」
……ねえねえちゅーやくん。
「おう」
ずっと本の中にいてもきりがないねえ。
「おいおい今更かぁ?此処が一番安全っつったのはおまえだろうがよ」
そうなんだけどさあ……こう……海とか見たいじゃん。
「見れるだろ」
そうじゃなくてさあ。
「それともなんだ?出る気になったのか?」
それは……うーん……。
「?」
君が悪者になるのは嫌だ……。
「……あー……」
やだ
「オレのことは気にすんなって」
悪いのは僕なのに。やだな。
「気にすんな」
それも嫌だ。僕ばっか守られてる。
「守ってるつもりはねーけどな」

……今本持ってるのって誰かわかる?
「センセー」
即答……。
「分かるもんは分かるから仕方ねーだろ」
よりによって芥川先生……。
「あの人も存外しぶといなァ」
先生か……。
「戻るか?オレは構わねえぜ」
それは断固としていやだ。
「イヤイヤばっかじゃねーかおまえ」

逃げたい……遠くへ……。
「駆け落ちとか柄じゃねーよ」
駆け落ちしようぜちゅーやくん……。
「出来るもんならやってみろよ」
うっ……ううううう…………。
「無理だろ?」
本が……仕事が……文学書……。
「クソ真面目かよ」
そうだよ!!!!

駆け落ち録



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