こころまい
(……)じっ
「(ねみー)」
(ちゅーやくん改めてよく見たらまつ毛長いな……肌白い……小顔……髪さらさら……)
「(だりー)」
(あ、あれまって?もしかしなくてもとても魅力的なのでは?)
「(そろそろ寝っかなぁ)」
好き……。
「いきなりなんだよおまえはよぉ」
あれ……?
「ああ?」
声に……出てましたか……?
「モロに出てたわ」
ええ…………。
「何照れてんだよ気持ちわりぃな」
待って!
「何をだよ……」
ちゅーやくんなら目に入れても痛くなさそう!
「……あー……ストップ。マジで目に入れようとすんのやめろ」

キレそう!
「寝ろ」
議題。ちゅーやくんが何故こんなに好きなのかについて。
「寝ろ起こすな」
ちゅーやくんは天使だったのでは……?
「戯けんな寝ろ」
ツンツンなところも好きだよ。
「すげーな、日本語同士なのに全く会話になってねえ」

「お前日に日に就寝時間ずれてねえか?」
ばれたか!
「そんなんだからニキビできんだよ」
人が気にしていることをよくもまあズケズケと!好き!
「話にならねえ」
恋は盲目ってやつだねえ。
「盲目どころじゃねえよもう目ぇ潰れてんだろお前の場合」
君への愛に刺されたか……。
「気持ち悪い近寄んな」

駆け落ち録
可愛い子ってさあ、
「あん?」
殺したくなるよね。
「ならねえよ!?」
太宰とか見てたら握り潰したくなる。
「おまえあいつのことどんな目で見てんだ!?」
ひよこ。
「ひよこ……」
ひよこも握り潰したい。
「もうやめてくれ……」
鳥類殺したい。
「やめてくれ……」


「(こいつオレのこともカワイイカワイイぬかしやがるが、まさか変な目で見られてねえだろうな……?)」
(かわいいなあ)
「(悪寒が……)」ぞわっ
(ほんとかわいい)にこにこ
「んだよその顔……」ぞわぞわ
別に?(殺すには惜しい)
「(脳内で滅多刺しにされてそうで嫌だわ……)」ぞわぞわ

駆け落ち録
…………。
「その顔怖いからやめろ」
考えてるから邪魔しないでくれるかな。
「思案するといっつも生気の抜けた無表情になるよなおまえ。まるで塩気のねぇ鯖だ」
太宰と同類……?
「あいつは青鯖、おまえは塩気のねぇ鯖。わかってねえなあ」
納得がいかないのですが……。

思ったんだけど、
「ああ?この状況を打破する良い解決策でも浮かんだか?」
僕が人間そのものに興奮するのって君が初めてなんだよね。
「とんでもねえカミングアウトするのやめてくれ頼む」
僕人外愛者じゃなかったのかもしれない。
「くそ真面目な顔すんのは良いけどよ、言ってることは性癖の暴露だぞ?いいのか?」
そう思った我々はアマゾンへ飛んだ。
「ついていけねえ」
しかしやはりと言うべきか、人を見ても何も思わないしむしろ不快である。
「お、おう」
君は僕を盲目的にさせる何かを放っているのではないか?
「あー……恋は盲目っつう言葉もあるし、タブンそれじゃねーの」
それが本当なら過去の恋人達にもそういった感情を抱いているはずなのだが……。
「(ぴく)……」
今嫉妬したろ。
「ああ!?してねーよ!!」
したろ。
「してねーーよ!!!」

駆け落ち録
あのね、ちゅーやくん。
「あん?」
僕ね、先生に謝りたい。
「……」
なんて酷いことをしてしまったのだろう。
「……」
許されなくたっていいから謝りたい。でもこんなこと、前にもしたことがある。何回繰り返すんだろう僕は。僕って。
「……気づけただけ、万々歳じゃあねえか」
ちゅーやくん……。

「で、どうすんだ。帰んのか?」
……それはそれで……。
「嫌ってか?」
帰ること自体に抵抗はないよ。ただ、今のままだと君が悪人の扱いを受ける。そこが嫌なんだ。
「なるほどねぇ。オレは構わねーけどな。もとよりそのつもりで来たんだ」
僕が嫌なんだよ。
「へーへー」

駆け落ち録
きみのやさしさがあまりにもいたいよ。
「だろうな」
どうして。
「自分で言ったことすら忘れんのか?優しくすることに理由なんざいらねえのさ。おまえがそうであるように」
へんなの。
「ならおまえも変な奴だ」
……そうかな
「そうだ。おまえは変物だ」



あわいくびのわ たおやかににぎるてのひら
ばけもののこどう しじんのといき
やさしくくさりをほどいて

まあるくやさしくたいせつに

駆け落ち録



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