第1話
「おはよう。」
そう言って降りていけば、そこにはリーマスやシリウスが居た。
「おはよう。調子はどうだ?」
「悪くはないわ。」
早めに家に帰って来てからそんなに時は過ぎてはいないが、気分的にいつもとは違う。
あの時の夢を見る時の方が多いし、怪我の痛みに目が覚める事も多いが全ては自分が選んだ事。
この家に帰ってきた日は、シリウスの説教を受け、その日はとても気分が沈んだのは確かだったが、弱音は吐いていられない。
レンは毎日、いつものお気に入りの揺り椅子に座り、移動する時はそれに魔法をかけて移動している。
歩いても良いのだが、リーマスやシリウスが、歩くなら自分が抱えて連れて行くと引かなかった為そういう手段を選んだ。
そして、毎日、シリウスかリーマスのどちらかが、レンの傷の手当てをしてくれている。
手当てが必要とされている場所は、腹部と片足の脹脛、そして杖腕の左腕…。
腕は大きな怪我をした記憶もあまりないが、初めて手当てをした日は、手当て後にレンをきつく抱きしめてくれた記憶も新しい。
きっとどの箇所も、傷がそれ程に酷いのだろうと、レンは思った。
「今日も彼から薬が届いているよ。」
両目がある場所は未だに包帯で巻かれたままで、リーマスは、そんなレンに判るように、テーブルの上に薬を置けば、レンの手を握り、そこまで手を伸ばさせてくれる。
「判ったわ。」
「薬と一緒にメモが挟まっていてね。今日は目の様子を見に来てくれるそうだ。」
その言葉にシリウスがゲッとあからさまに嫌そうな声を漏らす。
「シリウス…スネイプと仲良くしなきゃ駄目だってダンブルドアに言われたんじゃなかったの?」
レンが帰って来てから数日後、改めてシリウスとリーマスが状況を説明してくれた時に聞いた話を思い出し、小さく笑いながらレンはシリウスに言えば「合わないものは合わないんだ。」と、眉間に皺を寄せながら言うシリウスに、クスクスと笑い声を洩らした。
あのダンブルドアが苛々した様子だったらしいし余程の事だったのだろう。