「きっとレンの言葉はシリウスに届いているさ。」
「うん…そうだと良いわね…」
今すぐにでもシリウスに逢ってその胸へ飛び込みたい。レンはそんな思いを心の奥深くにしまい込んだ。
だが突然ひんやりとした気味の悪い気配を感じ自分が自分でなくなってしまう様な感覚がした瞬間、レンは腕を抑えて苦しみ始め、遠退く意識にそれを上回る何かで意識をしっかりと保たねば…!と思えば、顔を顰めながらその腕に自分の杖を一度突き刺しリーマスはそれに顔を青くさせた。
「お前、なんかに…負けるか…!…クソ喰らえ、よ!」
腕を刺したその痛みで、その声と熱に意識を奪われそうになるのを防げば「なんていう事を…」と、リーマスが呟き零す。
レンはその腕に包帯を巻こうとするリーマスを軽く制して立ち上がれば、真っ直ぐにリーマスを見つめる。
「リーマス、ネビルをお願い。神秘部の入り口の前に結界を張ったわ。透明魔法をかけてジニー、ルーナ、ハーマイオニーが居る。ロンは何処に居るか判らないけれど…少しおかしくなってるから見つけてあげて。」
その言葉にリーマスは判ったと大きく頷くが、レンのその言葉に不思議そうにした瞬間だった。
レンはそのまま階段を駆け上がってハリーの後を追ってしまう。
「レン、止めるんだ!」
「シリウスはハリーを頼むって言った!これ以上、シリウスとの約束を破りたくない!勿論リーマスとの約束も破るつもりはないから!」
そう言いながらレンは姿を消した。
「レン、今ハリーが…」
「大丈夫、助けに行くわ。直ぐにリーマス達が来るから。」
「でも…シリウスは?」
その後に沈黙が走り、ジニーは聞いてはいけない事を聞いたという事に直ぐ察しがついた。
「逝ってしまったわ。…ハリーを助けに行ってくる。」
レンはそのまま彼女らの透明魔法を解き、落ち着いて瞳を閉じれば、遠くに魔力を感じる方の扉を開き急いでその場を走り去った。