「シリウスに笑われてしまうけれど、まだ怖いのよ。あの時死にかけたシリウスや、水晶玉で見たシリウスが死ぬ瞬間を思い出して…色々と同時期に起こって、パンクしているだけなのかもしれないわね。」
「レン…キミが護っているのなら、ブラックもそう簡単には死んだりしないだろ。死にかけても生きてられた奴は意外としぶといもんさ。」
彼なりにレンを励まそうとしてくれたのだろう、ドラコはそういうと頬に触れさせた手で顔を上に向かせ、レンと視線を合わせる。
「レンは自分の心の穴を埋めてくれる人を作ろうとは思わないのか?」
「どういう意味?」
「恋人を作ってみれば世界が変わると思わないか?」
「ドラコ…それは贅沢すぎる事だわ。私の事を世界がどう思うか、ドラコなら判っている筈でしょう?」
「ならば全て判った上で受け止めてる僕なら何ら問題はないじゃないか。」
レンはそれにそうかもしれないけれど…と苦笑してしまっては、ドラコは優しく微笑んだ。
「判っている。レンから大切な者を奪った人が身内にいる僕には勝算がない事ぐらい。…でも僕はどんな手を使ってもいつか僕を選ばせてみせる。あんな大体的に告白したウィーズリーの片割れにも、ポッターにも渡すつもりはない」
それにレンは首を傾げ、ハリー?とキョトンとしてしまえば、ドラコは可笑しそうに笑った。
こんな表情久し振りに見た気がする。
「キミはいつまでたっても子供だな。」
「どうしてそこで私が子供なの?」
「判らないなら僕からは何も言うつもりはないし、気にしなくて構わないさ。」
「よく判らないけれど、ドラコ…貴方はこの先が想像出来ない人ではないでしょう?」
「レンが何を考えているか、ぐらいは判っている。けれど僕はレンにも色々な喜びを知ってもらいたい。」
「愛がどんなものをもたらすか…それは父親代わりに色々教わって、家族愛は理解できたけれど…一人の異性を愛する意味の愛は…私のこの気持ちが他の人を大切に思うのと何が違うのか判らないのよ…。」
レンは難しく考えすぎているだけさ。良く考えれば心当たりはあるんじゃないか?その人といると自然と笑顔になったり、その人の言葉で一喜一憂する。離れている時はその人の事ばかりが頭の中に浮かぶ。」
「んー…?」
レンが首を傾げながら「家族以外で?」と聞けばドラコは頷き、レンは目をぱちくりとさせれば、ドラコは思わず笑ってしまった様だ。
(P.51/全P.208)
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