「レンの意見を聞かせて欲しいわ。」
そんなハーマイオニーの言葉に、レンはうーんと考える仕草をしてからゆっくりと口を開いた。
「持ち歩いていたら怪しまれるって言っていたなら、そうね。それはとても大きな物。ボージンの店でそんな大きな売り物といえば…姿をくらますキャビネット棚かしら…私の記憶の限り、だとね。ほら、ハリーが隠れていたあのキャビネットよ。」
そういえば、ハリーは懐かしそうに「あぁ。」と声を漏らす。
「あのキャビネットは2つで1セットなの。あそこにハリーが隠れていて移動しなかったって事は、対になっている方のキャビネット棚が壊れているって事になると思うわ。でもドラコのお家にあんなキャビネット見た事ないのよね…私の知らない間に買い足した可能性もあるけれど…壊れているのを手に入れて、修理したいって事なのかしら…。それか持ち出せないお宅にあるのかも。」
「腕の事はどう思う?」
「純粋にハリーはよく見ていたなぁと感心はしたわ。」
「ハリーはマルフォイが死喰い人じゃないかっていうのよ。」
その言葉にレンは瞳を丸くし、まさか。と言いかけるが、眉を顰めてしまった。
「その可能性はあるわね。…ダンブルドアが私に言ったのよ…学生の方が動き易い事もあるって。私を騎士団の仮団員にした時にね。ヴォルデモートも同じ事をもし考えたとしたら…」
レンのその言葉に、ほら!とハリーは嬉しそうにし、ロンとハーマイオニーは信じられないと言いたげな表情だった。
レンはそのまま考え耽ってしまっていた。
ナルシッサが危険を冒してこの森に来た時の事だ。
あの子の命に関わる事。そう言っていた…という事は、ヴォルデモートに何か命令をされているのではないだろうか。
ナルシッサはそれがドラコに実行出来るとは考えていないのだ。
あの、危険と感じたら尻尾を巻いて逃げていた、あのドラコだ。自分がナルシッサでもそう思うだろう。
「レン、何を考えているの?」
「ドラコの性格上、そんな危険な命令は出せないだろうなって。ダンブルドアの動向を探っていろとか、その程度くらいにしか役に立たなそうかなぁ、なんてね。」
「それは僕も同感だけど、警戒しておくに越した事はないよ、レン。もしかしたら、レンを連れてくるっていう命令かもしれない。」
(P.56/全P.208)
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