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生徒達が家族と別れを惜しんでいる間、レンは荷物から本を取り出せばそれを読み始めていた。
「クレスメント。1人かい?」
そう知らない学生に声をかけられレンは小さく首を傾げる。
「良かったら俺達のコンパートメントに来ないか?」
「ごめんなさい。友を待っているの。」
そういう訳ではないのだが、レンは適当にそう答えるとその男子は、また今度な。と言い帰って行く。
そういうのが何回か続きレンは小さく息を吐いた。
魔法省で起こった出来事は日刊預言者新聞に書かれていた。
もちろんハリーやレン、ロン、ハーマイオニー、ジニー、ネビル、ルーナが乗り込んだあの事も、だ。
その所為か、やたらと知らない人に声をかけられる回数が増えてレンは小さく息を吐く。
「レン?」
その言葉にうんざりした様に顔を上げれば、声の主がネビルとルーナを連れたハリーだと判るとほっと息を吐いた。
「なんかすごく疲れた顔してたけど、なんかあった?」
「一緒に来ないかとか一緒に良いかとか、なんか煩かったの。」
「あぁ、成程。」
「レンはとっても美人で優しいから、その気持ち判るよ。」
ルーナはそう言うと「レイブンクローにもファンがいるよ。」と言い、あからさまに信じられないと言いたげな表情をレンはした。
「レン、シリウスが来年はもう一度家に戻ったら即ウチに来なさいって言ってくれたんだけど、そうしても良い?」
「勿論よ。彼処はハリーの家でもあるのだから、気を遣わずに好きにして良いわ。」
「有難う。」
そうにっと笑ってくれるハリーにレンも小さく微笑み返す。
「ネビル、お祖母さんとどうだった?」
「うん、ばあちゃんが怒ると思ってたんだけど、喜んでくれてた。僕がやっと父さんに恥じない魔法使いになり始めたって。新しい杖を買ってくれたよ。」
ネビルは魔法省での戦いで杖を折ってしまい、ばあちゃんに殺される。と落ち込んでいたのだ。
それを、見て!とレンにその杖を出してくれ、レンはその杖を手に取れば小さく笑んで見せた。
「うん。良い杖ね。それに良い香りがする…花をつける木が使われているの?」
「キミは本当に鼻が良いんだね。桜の木にユニコーンの毛なんだ。」
「ふふ。良い杖に選ばれたわね。ネビルが信頼してあげれば、その杖も応えてネビルの力になってくれると思うわよ。」
「うん、オリバンダーも言ってた。オリバンダーが売った最後の一本だったかも…僕が買った次の日にいなくなってしまったから…。」
ネビルはそう言うとまたしても自由への逃走を企てたヒキガエルを捕まえようと座席の下に潜り込んだ。


(P.64/全P.208)
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